北米で大人気、BF Goodrichの新タイヤサイズが日本上陸!スタイルも決まり、いざオフロードへ!

昨年、愛車のランドクルーザー70(以降ナナマル)をリフレッシュ。都内でも車検が取得できるようにDPFを装着し、傷んだボディを板金塗装。サスペンションも一新し、これで仕上がったと思いましたが、ひとつ気になることがありました。タイヤサイズです。

サスペンションは純正から2インチアップくらいまでであれば、ナローボディの輸出向け純正サイズの7.50R16でいいと思います。しかし3インチ以上リフトアップすると、どうもタイヤが小さく見えて気になってきます。やはり走りとスタイルを両立する理想サイズは、255/85R16。国内では2003年以降の、いわゆるディーゼル車規制条例によって、ディーゼルエンジン搭載のランドクルーザーが減り、このサイズのタイヤも選択肢が減っていました。

しかしオフロード市場の大きなアメリカではトヨタ・タコマやジープ・ラングラーで3インチ程度リフトアップしたクルマに選ばれることが多く、BF Goodrich Mud-Terrain KM3、Toyo Open Country M/Tが特に人気で、Dick Cepek Extreme Country、Maxxis Bighorn Tiresといったオフロードタイヤがあります。国内ではYOKOHAMA GEOLANDAR M/T G003、DUNLOP GRANDTREK MT2があります。

ダカールラリーでBF Goodrich Mud-Terrainを履いていた私としては、これを履きたいと思っていましたが、昨年リフレッシュしたときはまだ日本で販売していませんでした。しかし今年4月、ついに日本でも発売されるようになり、さっそく愛車のナナマルに装着してみました。

Baja1000、ダカールラリーでの実績、技術を活かしたBF Goodrich Mud-Terrain KM3 255/85R16。
Baja1000、ダカールラリーでの実績、技術を活かしたBF Goodrich Mud-Terrain KM3 255/85R16。
同じく北米を中心に人気あるToyo Open Country M/T 255/85R16。ホイールはJAOS TRIBE 16×6.5(+28 5H150.0)カラー:マットガンメタリック
同じく北米を中心に人気あるToyo Open Country M/T 255/85R16。ホイールはJAOS TRIBE 16×6.5(+28 5H150.0)カラー:マットガンメタリック

ディーラー品質で用品を装着してくれるGR Garageへ

タイヤ交換は近くの「GR Garage東京深川」にお願いしました。86/BRZ RACEやVitz RACE、TGR Rally Challengeにもメカニックとして参加経験のある森さんが担当してくれました。

ホイールに新しいBF Goodrich Mud-Terrain KM3を組み、バランスを取ってからフロントに装着しようとしたとき「けっこうガタがあるのでチェックしますね」と。リレーロッドかタイロッドエンドかなと思いましたが、ナックルを固定するナットの緩みをすぐ見つけてくれました。ちょっとした違和感を見つけ、すぐ直してくれるのはさすがです。

東京に限らず全国のGR Garageには、レースメカニックやドライバーとしても活躍したり、ランドクルーザーでオフロードを楽しむなど、特にクルマが大好きなスタッフが多いので、行くだけでも楽しいです。

GR Garage東京深川。GRG Conceptカラーのハイラックスやスープラ、コペン、86のGR SPORTなどと一緒に。
GR Garage東京深川。GRG Conceptカラーのハイラックスやスープラ、コペン、86のGR SPORTなどと一緒に。
タイヤ交換時にステアリング関係のチェックもしていただく
タイヤ交換時にステアリング関係のチェックもしていただく
左が255/85R16、右が7.50R16。これだけサイズが異なる。
左が255/85R16、右が7.50R16。これだけサイズが異なる。

スタイルも決まり、いざオフロードへ

やはり約3インチアップしたナナマルには255/85R16のMTタイヤが似合います。以前は7.50R16でしたので外径が815mmから846mmと31mm大きくなり、断面幅が220mmから255mmと35mm広くなっています。まず乗り込むと視線が16.5mm高くなっていることがわかります。

走り出すと少し大径になったぶん加速はマイルドになりますが、これは逆に7.50R16のほうが軽くて、接地面が少なかったから当然のことです。現行輸出向けのナナマルでもワイドタイプは265/70R16が純正サイズですので、加速感は大差ない感じです。高速巡行ではトレッドブロックが大きめで、MTタイヤとしてはパターンノイズも気にならないレベルです。タイヤ接地幅が広くなっている分、横風によるふらつきも抑えられています。

7.50R16装着
7.50R16装着
255/85R16装着。スタイリングのバランスがよくなった
255/85R16装着。スタイリングのバランスがよくなった

オフロードでは、フラットダートでの安定性が増しています。ダカールラリーで総合優勝を競う4WDのトヨタ・ハイラックスやMINIが履くBF Goodrichのラリータイヤのサイズは、245/80 R16なので、パワーは比較になりませんが、それより車重のあるナナマルが255/85R16を履くのは理にかなっていると思います。

トレッドブロックが大きめで溝の幅が大きくないので、意図的にスライドさせてからのコントロールがしやすいです。また通常MTタイヤの多くは、トレッドブロックにウェット性能向上のためにサイプが入っているのですが、ここに小石が挟まることがあるのですが、BF Goodrich Mud-Terrain KM3は、しなやかなコンパウントでロック、ウェット性能を出しながらセンター部のトレッドブロックのみサイプを入れ、直進時のウェットブレーキ性能を確保しながら、サイド2列はサイプを入れずブロックの剛性を保持し、耐摩耗性を高めています。

マッシブなデザインがナナマルに似合う
マッシブなデザインがナナマルに似合う
大型のトレッドブロックとトラックション アーマーテクノロジーと呼ばれるV字型の深い切込みとその溝にあるマッド・クリーニング・トラクションバーが泥詰まりの排出を促し、泥ねい路での高い走破性を発揮する。
大型のトレッドブロックとトラックション アーマーテクノロジーと呼ばれるV字型の深い切込みとその溝にあるマッド・クリーニング・トラクションバーが泥詰まりの排出を促し、泥ねい路での高い走破性を発揮する。
Baja1000で培った技術を投入。ショルダーからサイドにかけてショルダーブロックの裂けや割れを抑制するアドバンスド・デフレクション・デザイン、ショルダーラバーが頼もしい。
Baja1000で培った技術を投入。ショルダーからサイドにかけてショルダーブロックの裂けや割れを抑制するアドバンスド・デフレクション・デザイン、ショルダーラバーが頼もしい。

泥ねい路ではトレッドサイド部の大きなV字型の切込みでしっかり掻き、溝奥にある棒状の凸部(マッド・クリーニング・トラクションバー)が、泥が詰まっても板チョコを割る凹みを作るようにして、ブロックがたわむと泥を割って排出する仕組みになっています。

最近バージョンアップしたMTタイヤは、マッドやフラットダートでのグリップを考えながら、耐摩耗性を保持しています。またサイド部のカットを予防し、泥ねい路でトラクションをかけられるサイドブロックがあるのが主流となってきました。

今回は泥ねい路で攻めたインプレッションはできませんでしたが、私のようにふだん乗りにも使用し、サスペンションで3インチリフトアップしてオフロードも楽しむナナマルオーナーであれば、255/85R16のMTタイヤはおすすめです。新車純正サイズではありませんが、日本でBF Goodrich、TOYO、YOKOHAMA、DUNLOPと4社からこのサイズが販売されているのはとてもうれしいです。

私はBaja1000やダカールラリーといった世界的オフロードモータースポーツで総合優勝はもちろん、参戦マシンの多くが履くBF Goodrichの実績、ブランドを信頼しています。みなさんもぜひご自身の用途に合わせ、どのタイヤが自分のスタイルに合うか考え、ぜひ試してみてください。お気に入りのブランドを装着したら、ぜひオフロードで一緒に楽しみましょう。

乾いた土はいっさい溝に土が残らず、ブロックのエッジでしっかり路面を掻いてくれる。
乾いた土はいっさい溝に土が残らず、ブロックのエッジでしっかり路面を掻いてくれる。
湿った土もこの通りしっかり土を掴んで、排出している。
湿った土もこの通りしっかり土を掴んで、排出している。
泥ねい路も走るのが楽しくなってくる。
泥ねい路も走るのが楽しくなってくる。
ナナマルは泥で汚れているほうがちょうどいい。海のボートのように、これからもオフロードでのクルージングを楽しみたい。
ナナマルは泥で汚れているほうがちょうどいい。海のボートのように、これからもオフロードでのクルージングを楽しみたい。

(写真:寺田昌弘・JAOS テキスト:寺田昌弘)

ダカールラリー参戦をはじめアフリカ、北米、南米、欧州、アジア、オーストラリアと5大陸、50カ国以上をクルマで走り、クルマのある生活を現場で観てきたコラムニスト。愛車は2台のランドクルーザーに初代ミライを加え、FCEVに乗りながらモビリティーの未来を模索している。自身が日々、モビリティーを体感しながら思ったことを綴るコラム。


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