歴代スープラが富士スピードウェイに集結!GRスープラの参加も一気に増えて盛り上がったスープラミーティング
昨年GRスープラに乗って取材に行ったことが縁で、今年もお誘いをいただき行ってきました「スープラオーナーズクラブ全国ミーティング2020」。今回の開催地は富士スピードウェイのイベント広場。このクラブが初めてミーティングを開催し、約60台が集まったこの場所で、<Supra is back>と17年ぶりにブランドを紡いだGRスープラの約70台を含め、327台と多くのスープラが再び集まりました。
日本のスポーツカーがクルマ好きを魅了し続ける
最近、日産フェアレディZプロトタイプが国内でも特別展示されたり、これからのスポーツカーへの関心が高まっています。また同時に発売から四半世紀経つ日本のスポーツカーにも国内はもちろん海外からも注目が集まっています。特にアメリカではクラシックカー登録制度があり、製造から25年を経過したクルマは厳しい検査を免除され登録することができます。やはり日本車は耐久性が高く、性能的にも乗って楽しいスポーツカーが多い。
スープラは、国内でセリカから独立したA70型が1986年から1993年、A80型でも1993年から2002年と、アメリカの通称「25年ルール」に当てはまり、これからさらに人気が上がることは必至です。
しかし全国ミーティングに集まったスープラオーナーにとっては、確かに愛車の人気が上がるのはうれしいことですが、彼らにとってスープラはプライスレスの相棒。一緒に走ってきた距離の分だけ、自分にしかない思い出というマイルがたくさんたまり、何ものにも代え難い宝物だということがミーティングにいて伝わってきます。
グランドツーリングからピュアスポーツへ
上質な空間、流麗なスタイリングと官能的なドライビングプレジャーがオーナーを魅了するグランドツーリングカー(以降GTカー)は、ロングドライブを快適で楽しい時間にしてくれます。どこまでも走っていきたい、もっと速く走りたいといった衝動は、モータースポーツへと誘われます。
イタリアのミッレミリアのような公道レースで、GTカーは走りを磨き、信頼性を高め、より高みを目指しサーキットへ。スープラはA70で1987年に全日本ツーリングカー選手権でデビューウィンをするだけでなく、WRCのサファリラリーで4WD勢を相手にFR車で挑み3位入賞。A80はさらにサーキットで速さに磨きをかけました。全日本GT選手権からSUPER GTにかけ活躍し、ル・マン24時間耐久レース、ニュルブルクリンク24時間レースにも参戦。GTカーとして世界の道に挑み続けました。
そして2シーターのピュアスポーツとして、より走りを追求したGRスープラの誕生。昨年のミーティングではまだオーナーはいませんでしたが、今年は70台近いオーナーが参加。ここに来ればスープラの歴代のライフスタイルに触れられる。A70、A80のオーナーとスープラを語り、あらためて自分のGRスープラに触れると、Back to the Future気分。スープラの歴史を知り、そのブランドの深みを知り、笑顔になっているオーナーを多く見かけました。
GRスープラをデザインした中村さんとレースで勝った脇阪さん
GRスープラで参加した方々のなかで、GRスープラに仕事で関わり、プライベートで愛車にしているお二人のトークショーがありました。スープラで全日本GT選手権、SUPER GTを走り、現在TOYOTA GAZOO RacingアンバサダーでSUPER GT TGR Team SARD 監督を務める脇阪寿一さんとGRスープラをチーフとしてデザインした中村暢夫さん。
脇阪さんはA80とGRスープラのオーナーで、中村さんは自身がデザインしたGRスープラのオーナー。脇阪さんはこのミーティングの前週に富士スピードウェイで開催されたSUPER GTのGT500でスープラを優勝に導き、中村さんはこのミーティングのためにスープラの作品を描き、お二人ともスープラのオーナーにプライスレスなプレゼントをしてくれました。
そしてSUPER GTに挑むSARDやWedsSportをはじめ、スープラのパーツをラインナップしているブランドが30社近く出展し、ミーティングを盛り上げていました。こうしてスープラを中心に人が集まり、つながり広がっていくミーティング。目的地に乗りつけ、そのまま愛車が主役になるミーティングは、クルマやバイクなど走る喜びがある乗り物だからできること。スープラファンはぜひ来年参加してみてください。
写真/文:寺田昌弘
ダカールラリー参戦をはじめアフリカ、北米、南米、欧州、アジア、オーストラリアと5大陸、50カ国以上をクルマで走り、クルマのある生活を現場で観てきたコラムニスト。愛車は2台のランドクルーザーに初代ミライを加え、FCEVに乗りながらモビリティーの未来を模索している。自身が日々、モビリティーを体感しながら思ったことを綴るコラム。
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