SUPER GTドライバー、S耐ドライバーと一緒に走ってしゃべって盛り上げるMTG MOTOR FESTIVAL2025・・・寺田昌弘連載コラム
宮城トヨタグループ(MTG)が毎年スポーツランドSUGOで開催する「MTG MOTOR FESTIVAL」。MTGのお客様がサーキットでいろんなクルマを体験しながら楽しめるイベントで毎年多くのお客様が来場します。
なかでもプロドライバーがドライブするクルマに同乗し、サーキットを疾走する「プロドライバー同乗体験」、通称プロ同乗が大人気です。
今年のプロドライバーは、SUPER GT GT300に参戦する松井孝充選手、山内英輝選手やスーパー耐久シリーズに参戦する田ケ原章蔵選手、小松一臣選手、さらに長野五輪スピードスケートの金メダリストでYaris Cup参戦中の清水宏保選手はじめニュルブルクリンクでのレースやフォーミュラで走っていたドライバーなど、凄腕ドライバーをラインナップ。そのなかに私も加えていただきサーキットを走ってきました。
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今回のドライバーは左から私、田ケ原章蔵選手、清水宏保選手、小原康二選手、坂本祐也選手、小松一臣選手、佐藤晋也選手、山内英輝選手、松井孝允選手、一条拳吾選手
ウェットとドライのコンディションでラインを変える
初日はあいにくの雨。コースは一部に川があったりとサーキットの経験が浅い私にとって緊張の朝を迎えました。経験豊富なレーシングドライバーから「ドライで走っているラインはタイヤのゴムが残っていたり、舗装が削れていて滑りやすいから、そこを外して走ったほうがいいです」と教えてもらって試してみると確かに大きな差があるのがわかります。
テレビでSUPER GTを観ていても、こういった違いはわからないので、お客様を乗せてコースを走っているときに、最初はウェットでもグリップするラインを走り、次のコーナーでは敢えて滑りやすいラインを走って滑っているのを体感してもらい、レースではドライとウェットでラインを変えて走っていることを知ってもらいました。
すると「レーシングドライバーが、速く走るために路面の些細な差を感じ取ったり、繊細なアクセル操作をしているのがわかって、レースをよりおもしろく観られます」と言ってもらえました。
今回私が担当したのはGRカローラ。同乗するお客様から「思ったより室内が広いので、日常で乗っていても楽そう」「内装の質感が高い」「見た目を超える速さでびっくりした」などの声をいただき、来て、観て、触って、乗ってみたからこそ気づけるそのクルマのよさに興奮していました。
GRヤリスやGRカローラ、GR86などGR車は、やはりサーキットで乗ってみると、サスペンションやエンジンの性能や音まで体感でき、そのよさを知れる絶好の機会で、とても意義あるコンテンツだとドライバーのひとりとして実感します。
ただやはりSUPER GTやS耐に参戦しているレーシングドライバーがドライビングするクルマに乗れたら、もっとスリリングで安定した走りを体感でき、私も同乗したいくらいなので気が引けるなと。
それでも先行してヴァーチャルバトルをするクルマを追いかけながら実況していたら、レースのなかにいるようでおもしろいと喜んでくれるお客様ばかりで、東北の方々は本当やさしい方ばかりと感謝しながら、同じSUGOの国際モトクロスコースで毎年開催している「MTG4駆祭」の紹介もしっかりしました。
サーキットはまだまだ勉強中でアウェイ感がありますが、オフロードはホームですのでランドクルーザーやハイラックスなど、トヨタならではのSUV(オフロード四駆)の魅力を存分に体感いただけるので。
2日目はいい天気で路面はドライ。これならより安心して走れるので気分も晴れ晴れ。お客様同乗以外に、サーキットサファリのように、お客様がバスに乗り、その横を走るコンテンツもあり、初日はバスに乗って横を駆け抜けるクルマや選手、コースの紹介をしました。
2日目はGRヤリスやLEXUS LBX MORIZO RRに乗ってバスの横を走りましたが、GRカローラをベンチマークにすると、GRヤリスは、よりクイックな動きで軽さを活かしより攻めた走りができます。
GRカローラもそうですが、トランスミッションのDATが秀逸。初めて乗りましたが、思ったところでシフトアップしてくれるし、シフトダウン時のブリッピングが気持ちいい。私のようにサーキット慣れしていないドライバーにとってステアリングとアクセルだけに集中できるのでお気に入りです。
今回一番驚いたのはLEXUS LBX MORIZO RRです。GRヤリスでも十分軽く感じたのですが、LBX MORIZO RRはさらにその上を行く感じで、コーナリングの立ち上がりもそうですが、最終コーナーの上りでぐんぐん加速していくのに驚きました。
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LBX MORIZO RRが速いのに驚く
キッズにもクルマの楽しさを体感してもらう
プロ同乗はストレートエンドで約200km/h出したり、コーナリング時の横Gも強めなので小さな子供たちは乗れないのですが、やはり子供たちにもクルマを楽しんでもらいたいとMTGスタッフが考え、GR86でコンパクトなジムカーナをするコンテンツもあり、これもプロドライバーが担当。
タイヤ痕をつけてはいけない場所なので丁寧に走りながらも、子どもたちにはアミューズメントパークのアトラクションみたいに楽しんでもらえるように走りました。クルマを降りるたびに、子どもたちの笑顔が見られてうれしかったです。
子供たちにはほかにもRCカーを操縦したり楽しめるものもあり、家族で楽しめるし、プロ同乗は午前、午後合わせて3回の抽選があるので、1日ゆったり楽しんでいる家族も多かったです。
昔は顧客リストへ郵送でイベント案内をしていましたが、数年前からLINEを開設し、そこでもイベント告知をするのが定着してきて、毎年楽しみに来てくれるファミリーのようなお客様に加え、SNSを観て初めて来たお客様も増えてきました。
クルマの性能もアップしてきたので、私たちプロドライバーもアップデートしてさらに楽しんでもらおうとあらためて思いました。
文:寺田昌弘 写真:茅原田哲郎
ダカールラリー参戦をはじめアフリカ、北米、南米、欧州、アジア、オーストラリアと5大陸、50カ国以上をクルマで走り、クルマのある生活を現場で観てきたコラムニスト。愛車は2台のランドクルーザーに初代ミライを加え、FCEVに乗りながらモビリティーの未来を模索している。自身が日々、モビリティーを体感しながら思ったことを綴るコラム。







