金78トン、銀2,330トンを産出！世界遺産に認定された「佐渡島（さど）の金山」　新潟県佐渡市

確認されているだけでおよそ55の鉱山が点在する、佐渡島。西三川（にしみかわ）砂金山・新穂（にいぼ）銀山・鶴子（つるし）銀山・相川（あいかわ）金銀山の4つが主なものとされ、このうち西三川砂金山、相川鶴子金銀山-相川金銀山、相川鶴子金銀山-鶴子銀山が「佐渡島（さど）の金山」として2024年7月、世界文化遺産に登録された。山頂が割れたような姿が特徴の「道遊の割戸（どうゆうのわりと）」は相川鶴子金銀山-相川金銀山で発見された鉱脈のひとつで、佐渡島の金山のシンボル。地表面に露出する鉱脈「道遊脈」を掘削する「露頭掘り」により、山がV字型に割れたという採掘跡だ。

道遊の割戸から車で約60分の「宿根木（しゅくねぎ）」は、小木（おぎ）海岸の入江にある民家の密集地。中世からある港は佐渡金山が発展した時期を経て、江戸時代中期から明治にかけて大阪と北海道を日本海経由で運行した商船、北前船（きたまえぶね）の寄港地として発展した。入り組んだ路地に建ち並ぶ100余棟の民家群には、船大工の技術が結集。集落全体で船に関する仕事が盛んであった歴史を伝えている。駐車場に車を停めて、街歩きしてみよう。

宿根木から車で約40分の「レストランこさど」は佐渡で生まれ育ったご当地牛、佐渡牛のサーロインステーキが人気のレストラン。ハンバーグステーキや和風とんかつなどのセットメニューも揃う。注文を受けてから肉をカットし、佐渡の塩と胡椒またはデミグラスソースでいただくステーキは、冬は夏に比べ水を飲まないことから牛の旨味が凝縮され良質な脂肪を蓄えるため、冬場が特においしいという。米は世界遺産の西三川で採れた極上品質のコシヒカリのみを使用。佐渡産フルーツを使った手づくりケーキは、テイクアウトできる。

世界遺産のある島、佐渡島へ冬のドライブに出かけよう。

西三川砂金山では16世紀末から本格的な砂金の採掘が開始され、17世紀初頭からは佐渡奉行所の下、村人たちによる採掘が行われた。鉱業の神を祀る大山祇（おおやまずみ）神社や能舞台は、操業当時の鉱山の村の様子を偲ばせる。鶴子銀山では16世紀末から採掘が本格化し、掘り出した鉱石を砕いて選別する「選鉱」や、金属を取り出す「製錬」などの痕跡を確認できる。1601年（慶長6）には鶴子の奥山、相川で鉱脈が発見され、世界有数の産出量を誇る相川金銀山が誕生。鶴子銀山の技術や経験は相川金銀山へと引き継がれていった。

小木港の南西約4キロメートルに位置。小木港が北前船の寄港地として栄えた頃は、宿根木に船主をはじめ船乗りや船大工、造船技術者らが居住。桶屋、鍛冶屋、石屋なども集まり、廻船業に加え造船基地として発展し、今に続く町並みの礎を築いた。宿根木の町並は、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。

「ご縁の宿 伊藤屋」に併設されたレストラン。佐渡牛サーロインステーキをはじめ、新潟の津南ポークや佐渡牛100％キーマカレーなど地元産の食材を使った料理を提供。デザートも充実し、コーヒーは最高級品種アラビカ種のコーヒー豆を自家焙煎して使用。カフェとしても利用できる。

■道遊の割戸（佐渡島の金山のうち相川鶴子金銀山-相川金銀山）
住所：新潟県佐渡市相川銀山町1-1
TEL：0259-74-2220（佐渡観光交流機構相川観光案内所）
アクセス：両津港から車で約60分
駐車場：あり（第一駐車場。相川金銀山の駐車場から坑道を通って徒歩約20分）

■宿根木
住所：新潟県佐渡市宿根木
アクセス：小木港から車で約10分
駐車場：あり

■レストランこさど
住所：新潟県佐渡市真野新町275-2
TEL：0259-55-4004
営業時間：11～14時（13時45分LO）、17～21時（20時30分LO）
定休日：火曜夜・水曜
アクセス：両津港から車で約30分。または小木港から車で約40分
駐車場：あり
URL：https://kosado.com/

※記事内のデータは2024年12月現在のものです。掲載後に料金、営業時間、定休日、メニュー等の内容が変更になることや、臨時休業等で利用できない場合があります。
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