高原のワインディングロードを走る 松山・愛媛ドライブルート

愛媛内陸部周回ルート​​​​​​

愛媛と言えば瀬戸内海をはじめ海のイメージが強いかもしれませんが、実は山側にも魅力的な場所や町がいっぱいあるんです!今回は松山から陶器の町・砥部を経由して、見どころ・食べどころ・湯どころいっぱい『伊予の国・内陸部』の旅へ。山に最も分け入ればもう高知、四国カルストの雄大な景色や湧き出す温泉の恵みにも触れつつ、高原のワインディングロードを気持ちよく走ります。この地域は明治や大正、昭和初期に大きく栄えた町も多く、随所に歴史的建築物や近現代建築の巨匠たちが手がけた建物があり、それも巡って文化の香りにも触れちゃいますよ。総走行距離が長いだけにチェックインポイントは5つを設定。砥部・久万高原・高知県の檮原・大洲市肱川町・そして内子へと四国の山側を一周してから砥部を経由し松山へ戻るルート。それでは、高原の爽やかな風を感じながらの快適なドライブに繰り出しましょう!

ルートマップ:約5時間58分(約252.6km)

S:坂の上の雲ミュージアム

スポット情報
明治時代に松山が産んだ3人の秀才、軍人・秋山好古、真之の兄弟と俳人・正岡子規。彼らの青春期を見事な筆致で描いた司馬遼太郎の小説「坂の上の雲」に関する工夫を凝らした展示が盛りだくさん。日本が世界に飛躍しようとしていた明治の時代に彼らが見ていたものを知ることは現代にも通じます。当時世界最強と謳われたバルチック艦隊を破った真之は、東京の下宿で寝っ転がりながら日本海海戦の戦略を練ったそうで、条件が悪くても頑張り次第で世界を驚かせることができたという事実には勇気をもらえますね。本木雅弘や竹下景子などTVドラマの出演者が寄せた「手紙」の達筆ぶりにも驚かされました。展示と同様にじっくり見たいのが建築そのもの。設計は巨匠・安藤忠雄氏。このミュージアムは表参道ヒルズの翌年2007年に作られた、まさに脂の乗った時期の作品。2つの三角形を合わせた斬新なデザインの建物を巡るという楽しみもアリだと思います。

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国道33号 約31km 約52分

1:砥部焼伝統産業会館

スポット情報
入るとすぐ高さ2m27cmのジャンボ壺がありびっくり。230年以上の歴史を持つ砥部焼の名品のほか、伝統的しつらえ、現代的しつらえ、和風しつらえの3つのテーマに沿って巨匠から若手までが序列なく展示されています。陶芸でここまで面白い形ができるんだな、と驚ける作品が多いのは、他の地域と比べて年齢や実績によるいわゆる上下関係がなく、若手でも自由に制作できる砥部の風土が作風にも現れているためだそう。数々の作品を見ていると、インスピレーションがどんどんと湧き出てくる、というか、脳の普段使っていない部分が動き出す感覚を味わうことができましたよ。2階では砥部の各窯元による作品を販売しており、気に入ったお皿や湯飲み、花瓶などをお土産にできます。係の方に聞くと「砥部焼は窯元によって作風が大きく違うので、ここでご自身の感覚にあった窯を見つけるキッカケにして下さい。窯元巡りの相談も遠慮なくどうぞ」とのことですよ。

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国道33号、県道12号 約32.6km 約63分

2:海岸山 岩屋寺

スポット情報
土産物屋が建ち並ぶ参道を「境内まで2、30分だよ。頑張って」と店のおばあちゃんの励ましを聞きながら登ります。厳しい坂に10分も歩けば額からは汗、20分ほどで宿坊が見えて「もう一息」。そして一気に視界が開け、疲れが吹き飛ぶ眺めに遭遇!ゴツゴツした奇岩の岩壁をくりぬいて作られた本堂はどっしりとした構え。そこに垂直の岩壁が襲いかかってくるような様相は迫力満点!言い伝えではこの岩山に住む不思議な神通力を持った女が、弘法大師がこの地を訪れた際に帰依し一山を献じて大往生を遂げ、そこで弘法大師が不動明王の木像と石像の2体を刻んで木造は本堂へ、そして山そのものを本尊として石像を奉じたそう。岩山にはしごで登り、遠くを見れば山の緑が目にしみるほどの眺めが。参道入口の駐車場は道が細く民家のひさしにぶつかるため通行可は乗用車まで。ワンボックスカーなどで到着の際は県道12号線沿いに面した駐車場を利用しましょう。

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国道33号、国道440号 約45km 約79分

3:雲の上のホテル(雲の上の温泉)

スポット情報
国道440号線で地芳トンネルを抜け国道197号線とぶつかるとそこは高知県檮原町の中心部。左折して5分ほどで、森の中に浮かぶように大きなガラス張りの建物が見えてきます。実はこの「雲の上のホテル」は後にサントリー美術館などを手がける隈研吾氏が1994年に設計した建物。ガラス張りのホテル棟から温泉棟へ向かう渡り廊下には木の香り漂う「雲の上のギャラリー」があり、地元の木材をふんだんに使って組み上げられた建物は思わず感嘆の声を上げてしまうほど美しいです。さて、建物だけでも十分満足ではありますが、ここでは「美人の湯」と呼ばれる温泉があり、日帰りでも利用できるのでそそくさと入浴~。露天風呂は必要以上の囲いがないので、まるで森の中で入浴しているかのような感覚になれ、心からリラックスすることができました~。温泉は夜9時半まで受付可能ですが、時間が許すならぜひこの名建築に宿泊してゆっくり楽しみたいですな。

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国道197号 約43.2km 約80分

4:大洲市立肱川風の博物館・歌麿館

スポット情報
国道197号線から看板に従って肱川を超え、博物館方面へ向かうと一気に高台へ。住宅地を抜けると円筒形の建物に勘亭流ででっかい「歌麿」の文字が。「風の博物館」「歌麿館」併設の施設ですが、まずは「歌麿館」へ。「なぜこんな山奥に歌麿が?」と疑問でしたが、実は1999(平成11)年にここ旧肱川町の小学校で卒業文集を作っている際に偶然版木が発見されたためだそう。展示の目玉はもちろん喜多川歌麿による版木2枚。何度も「摺(すり)」が行われたため墨をたっぷり吸っている版木を見れば、彼が彫ったと思われる線の細やかさに感激! さらには歌麿を世に出した版元・蔦屋耕書堂(つたやこうしょどう)の店先を再現し、「彫師」「摺師」と呼ばれる職人が実際に使用していた道具も数多く展示され、江戸の息吹が伝わってくるようでした。一方「風の博物館」では風力に関する展示が並び、風力発電の仕組みや風に関する知識を深めることが可能です。

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国道197号 約31km 約57分

5:道の駅内子フレッシュパークからり

スポット情報
内子市街から松山方面へ向かう2つのルート、国道56号線と379号線の分岐点に位置し非常に立ち寄りやすい場所にある施設で、その賑わいにまず驚きます。聞けば、地元の農産物を生かした商品を次々と生み出す道の駅らしく、四国でも超有名ということで納得~。地元産のトマトをたっぷり使いジェラートにした「とまとソルベ」を目当てにうろついていると香ばしい香りとともに「内子豚もろみ焼きバーガー」を発見!地元内子産の無菌豚をこれまた地元醤油蔵のひしおを使ったもろみソースを絡めて香ばしく焼き上げ、キャベツの千切りとともにパンに挟んだと聞けば食欲そそられ、さっそく購入。かぶりつけば、もろみで味付けられた豚肉の旨みがじゅわっとジューシー。それをしっかりパンが受け止めている感じであっという間に完食~。デザートにはもちろん「とまとソルベ」。完熟したトマトの旨みがソルベに閉じ込められ、ドライブの疲れを癒してくれました。

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国道379号、国道33号 約68.4km 約126分

6:道後温泉本館

スポット情報
せっかく松山に来たのだから、旅の最後にはやはり道後で湯に浸かりたい。そういうわけで車は道後温泉へ。1894(明治27)年に造られたという木造3階建ての建物は国の重要文化財。夏目漱石も通いつめた名湯なのです!入浴コースは4コースあり、最廉価の神の湯階下から霊の湯3階個室まで選べますが、せっかく43℃で源泉掛け流しという自慢のお湯を楽しむのだから、風呂上がりにゆったりと浴衣を着てお茶とお菓子を楽しめる霊の湯2階席や個室を推奨します。実はこちらのチケットなら1階にある神の湯にも入れるので、地元の常連さんたちと一緒に湯あたり柔らかな道後の湯を楽しむのもまた格別。漱石ゆかりの部屋「坊ちゃんの間」や皇室専用浴室「又新殿」の見学も忘れずに。アニメ「千と千尋の神隠し」のモデルとなったといわれる建物を愛で、湯を満喫したあと、ふっと浴衣から立ち上るのは温泉のあの香り。「道後に来たなぁ」と実感できて嗚呼幸せ~。

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ドライブ情報

  • 松山から奥伊予の魅力的なスポットをめざし、ワインディングを軽快に疾走。歴史的建築や日帰り温泉を楽しめる場所も紹介します!