新型クラウンのデュアルブーストハイブリッドシステムってどういうこと
16代目クラウンのパワートレーンに、デュアルブーストハイブリッドシステムという、かっこいい、そして強そうなシステム名がある。一体どんなシステムなのだろうか。
新型クラウンのパワートレーンは2種類ある。2.5Lハイブリッド(A25A-FXS)と2.4Lターボハイブリッド(T24A-FTS)だ。2.5Lハイブリッドは、15代クラウン(縦置き)、カムリ、ハリアー、レクサスES、NXと多くのクルマに搭載されているエンジンだ。また2.4LターボハイブリッドはレクサスRX、NXに搭載されている。
デュアルブーストハイブリッドシステムの仕組み
2.4Lターボハイブリッドのクルマだけにデュアルブーストハイブリッドシステムは与えられている。この車、リアには最高出力80.2PSの1YMというモーター、フロントには最高出力82.9PSの1ZMというモーターを搭載する。
そして、これらの組み合わせかたが、従来のトヨタのハイブリッドと異なる。
2.4Lターボエンジンとフロントモーターを直結させている。これによりパワーをダイレクトに駆動まで伝えることが可能になる。これと、リアにある大出力のeAxleを組み合わせたものを、デュアルブーストハイブリッドシステムという。
なおトヨタの一般的なトヨタハイブリッドシステムⅡは、エンジンとモーターの間に動力分割機構があり、エンジンのパワーを駆動用と充電用に分割している。これのメリットは、緻密な制御が可能で、様々な運転での低燃費を実現できることであるが、駆動への出力という観点ではロスがある。
このクラウンのデュアルブーストハイブリッドシステムは、2.4Lターボハイブリッドが最高出力272Ps、フロントモーターが最高出力82.9PS、リアモーターが最高出力80.2Psで、クルマとしてのシステム最高出力は349PSとなっている。
この1YMモーターは、bZ4Xの4WDが前後に搭載しているモーターと同じ型式だ。bZ4Xでは最高出力が109PSとなっており、クラウンより30PSほど出力が高い。トータルバランスが大事なため、クラウンではモーターの性能を抑えているのかもしれない。
デュアルブーストハイブリッドシステムの嬉しさは2点
デュアルブーストハイブリッドシステムは、駆動にパワーを直接伝えられること以外に、どんな嬉しさ(メリット)があるのだろうか。
メリットは2点
- アクセスペダル操作に対してリニアな加速を実現
通常のエンジンとミッションの組み合わせであれば、アクセルペダルを踏みこむとダウンシフトするし、変速時のG抜け感は否めない。しかしデュアルブーストハイブリッドシステムは、モーターを直結しているため、BEVのごとく加速する。高速域までアクセルペダル操作に対してリニアな加速を体験できるはずだ。
- 緻密な4輪駆動制御で車両姿勢をコントロール
デュアルブーストハイブリッドシステムは、コーナリング時に、リアへの駆動力の配分を大きくして車両のスムーズなコーナリングを実現している。これはe-Fourも同じだ。しかし、リアの駆動配分の比率がE-Fourより高い。E-Fourは、100:0~80:20、デュアルブーストハイブリッドシステムは100:0~20:80となる。これにより優れたコーナリング性能、そしてコーナー立ち上がりスピードと安定性が約束されるはずだ。
デュアルブーストハイブリッドシステムは、RSグレードだけに搭載されている。
価格
CROSSOVER RS 605万円
CROSSOVER RS “Advanced” 640万円
(GAZOO編集部 岡本)
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