【SEMA特集】米国で支持される日本のアルミホイールメーカー、さらなる活躍へ

日本の乗用車は2年ごとに車検(正式には自動車検査登録制度の継続検査)を受けて合格しなければ公道を走ることはできない。車検ではブレーキやタイヤの磨耗、油脂類の交換など、車両が正常な状態かどうかの確認はもちろん、アフターパーツに交換されている際には合法性や取り付けの安全性なども確認される。

いっぽう、アメリカは州によって細かい違いはあるものの、重視されるのは排ガス検査で、車両の整備やメンテナンスについては日本のように細かい検査項目はなく、持ち主に委ねられているという。

そんな中でドレスアップやカスタムの定番メニューとして人気の『アルミホイール』。オシャレは足元から、というのは日本もアメリカも同じで、SEMAの会場では純正ホイール装着車を見つけることの方が難しい。SEMA会場のサウスホール1階の『WHEEL&ACCESSORIES』エリアを中心に、多くのホイールメーカーが参加。

ちなみに日本ではアルミホイールは『保安部品』に指定されていて、国土交通省の定める技術基準をクリアし認定を受けた製品のみが車検をパスすることができる。いっぽう、アメリカではそういった基準こそ設けられてないもののメーカーごとにそれぞれ厳しい独自検査を実施しているそうだ。

静岡県に本社をかまえ、アメリカにもインディアナ州やテキサス州などに拠点を持っている『ENKEI WHEELS』。ブースで話を伺ったところ「デザインにこだわり価格もリーズナブルな鋳造ホイールシリーズが人気ですね」とのこと。DR30スカイラインを展示して人気を博していた。西部警察に登場した際に装着していた。

日本製ホイールはJWLやVIAという基準によって品質が保証されている。しかしそれがアメリカ市場で有利になるかというと、一概にそうは言えないという。また、アメリカブランドでもJWLなどの規格を取得している製品もあるという。

懐かしのロンシャンホイールを履かせたハコスカで会場の人気をさらっていたコーリンプロジェクト。今年から本格的にアメリカ進出したという同社は、日本の旧車人気が高い西海岸を中心にプロモーションを進めてきたという。フェアレディZやスカイラインなど日本のクラシックカー人気が高まっているアメリカでは、それらの車種に似合うホイールも需要が増しているのだ。

ロンシャンRX-4、スターシャークといった往年の人気ホイールの復刻版を販売。これらの当時モノをアメリカで手に入れるのはとても困難なので、会場での注目度はとても高い。ロング・ビーチでの日本車イベント、そしてSEMA SHOWでもたくさんの反響を得たということだ。

オフセットの調整が自在な3ピース構造で、ツライチを求めるカスタム系ユーザーに人気のWORK。ワイドフェンダースタイルの流行とともにアメリカで人気が上昇し、日本でもヘラフラッシュやスタンス系車両への装着率が高くなっている。SEMA SHOWで発表された『WORK EMOTION CR3P』は、近日中に日本でも新作発表が行われる予定。

VARIS製エアロをまとった86とWRXを展示していたのはRAYSブース。YOKOHAMAWHEELは新型NSXとポルシェを展示。

日本のカスタム市場でも高い人気を誇るアメリカブランドの鍛造ホイール、通称“アメ鍛”。なかでも人気をほこるのが『FORGIATO(フォージアート)』。ブランド設立から11年、卓越したデザインとそれを実現する素材の入手、および専用設計マシン(1機およそ1億円!!)によって生み出される製品は、ハイエンドモデルを中心に愛用されている。

SEMAで発表されたフォージアートの新作『FLOWシリーズ』はJWL規格を取得。その他のモデルも順次、規格取得をおこなっていく予定だという。また、おなじく新作の『刃(NAIFU)シリーズ』は、日本の刀を意識したデザインを採用している。日本総代理店フォージアートジャパンの代表玉寄さんいわく「日本市場はアメリカについで大きく、開発側も強く意識しています」とのこと。有名ブランドが日本をリスペクトしてくれているなんて嬉しい話だ。

[ガズー編集部]