【車のエンブレムに込められた思いをたどる】 動物 ~躍動する生き物たちをモチーフに~
動物をモチーフとした車のエンブレムと聞いて、カーマニアが真っ先に思い浮かぶものは、やはりフェラーリ(馬)やランボルギーニ(牛)ではないだろうか。
イギリス車好きならば、ジャガー(ジャガー)、ドイツ車ならばポルシェ(馬)あたり。アメリカ車好きならば、ブランドではなく車種になるが、野生の暴れ馬をモチーフにしたマスタング、毒蛇ならばダッジ・バイパーやシェルビー・コブラもエンブレムのデザインを思い出させる。
このように動物をモチーフにしたエンブレムは、ブランドのみならず歴史あるモデルにも数多く採用例がある。
しかし世界は広い。ここで紹介するものは、非常にレアなエンブレムばかりである。
- GODON-KEEBLE
- ゴードン・キーブル(1963年・イギリス)
ユニークな“カメ”をモチーフとした一風変わったエンブレム。
イギリスの小さな自動車メーカーであるゴードン・キーブルが、唯一世に送り出したスポーツカー「ゴードンGT」のものである。
同車はジョルジェット・ジウジアーロの作品で、カロッツェリア「ベルトーネ」にて、当時、入社間もない新人の頃に車両エクステリアデザインを初めて手がけた量産車であった。
モチーフとなったカメは、同社の創業者であるゴードンのペットであり、スポーツカーとは正反対のイメージながら、あえてシンボルマークとして採用するという英国紳士らしいしゃれの効いたアイデアである。
- Godon GT
- ゴードンGT(1960年・イギリス)
1960年のジュネーブモーターショーで、プロトタイプが発表されたゴードンGT。
デザインは当時ベルトーネに在籍していたジョルジェット・ジウジアーロが手がけた。軽量なシャシーにスポーティーなボディーを架装し、シボレー・コルベット用の強力なV8エンジンを搭載するなど、スポーツカーとしての要素を存分に持ち合わせながら、財政難やサプライヤーの労働争議などに翻弄(ほんろう)され、発表からしばらくの間、本格的な生産に移ることができなかった。生産台数は、わずか100台といわれている。
(写真:カーグラフィック)
- FERRARI
- フェラーリ(1948年・イタリア)
“キャバリーノ・ランパンテ”と呼ばれるフェラーリのシンボルである“跳ね馬”は、イタリア貴族にして国民的英雄であったパイロット、フランチェスコ・バラッカの戦闘機に付けられていたマークに由来する。
時は第1次世界大戦。イタリアが誇る撃墜王、バラッカは1918年に戦死するまで敵機34機を撃ち落としたのだという。その撃ち落としたドイツ空軍の機体に描かれていたのがシュトゥットガルト市の紋章、つまり跳ね馬のマークだった……といわれていたが、現在ではバラッカの隊のマークそのものが跳ね馬だったという説が定説となっている。
バラッカの死後、彼の両親がエンツォ・フェラーリに「世界を席巻するスポーツカーを作ってイタリアの英雄になってほしい」との願いを込めて、シンボルであった跳ね馬のエンブレムを授けた、といわれている。
- Ferrari 250 GT0 62-63
- フェラーリ250 GT0 62-63(1962-63年・イタリア)
レースへの参戦を狙い、ホイールベースを短縮し運動性能を向上させた250GTベルリネッタSWB(ショートホイールベース)の後を受け、1962年から63年にかけて製造されたのが250GTOと呼ばれるシリーズだ。
250GTベルリネッタSWBをベースに軽量化し、最高出力300馬力の3リッターV12エンジンをフロントに搭載していた。
車名のGTOは、Gran Turismo Omologato(グラン・ツーリスモ・オモロガート)の頭文字から取られており、スポーツカーワールドチャンピオンシップ(SWC)へ参戦するための公認(ホモロゲーション)を得るために作られたモデルという意味を持つ。当時のレギュレーションでは「連続した12カ月に100台を生産したモデル」に参戦資格があった。
(写真:ニュースプレス)
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- APPERSON
- アパーソン(1929年・アメリカ)
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- TALBOT
- タルボ(1903年・イギリス)
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- BADGER
- バジャー(1910年・アメリカ)
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- CROW ELKHART
- クロウ・エルクハート(1919年・アメリカ)
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- WOLVERRINE
- ウルヴァリン(1928年・アメリカ)
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- AUSPER
- オースパー(1940年・オーストラリア)
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- JAGUAR CARS
- ジャガー・カーズ(1945年・イギリス)
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- MORRIS
- モーリス(1955年・イギリス)
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- ANADOL
- アナドール(1966年・トルコ)
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- TECNO
- テクノ(1968年・イタリア)
【資料提供】
トヨタ博物館 (http://www.toyota.co.jp/Museum/)
2019年4月17日(水)、トヨタ博物館に「クルマ文化資料室」がオープン。
今回ご紹介した、車のエンブレム(カーバッジ)の現物(一部展示していない場合もございます)が展示されています。
クルマ文化資料室 (https://www.toyota.co.jp/Museum/exhibitions/data/showroom/index.html)
[ガズー編集部]
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