トヨペット・クラウン(1955年) ― トヨタ名車History
豊田喜一郎が描いた夢は、フォードやGMに負けない国産の乗用車を作ることだった。残念なことに目的が達成されないまま1952年に亡くなってしまうが、その3年後、彼が積み重ねた努力が結実する。“純国産乗用車”と呼べる初めてのクルマ、クラウンが誕生したのだ。
通産省の指導により、日本の自動車メーカーが選んだのは欧米との技術提携によるノックダウン生産だった。しかし、トヨタだけは自主開発路線を頑として譲らなかった。1955年1月、高級4ドアセダンのトヨペット・クラウンが発売された。
同時にデビューしたのが、兄弟車のマスターである。タクシー需要が多いという状況を考え、頑丈でシンプルな構造のモデルを用意したのだ。しかし、タクシー業界も含めて市場が支持したのはクラウンだった。豪華な内外装に加え、乗り心地のいい前輪ダブルウィッシュボーンを採用したクラウンが人気を博した。
クラウンは1.5リッターの4気筒OHVエンジンを搭載し、48馬力のパワーに合わせて強力なブレーキが備えられた。自家用車としても受け入れられ、観音開きドアを特徴とする初代クラウンは、大衆の憧れの存在となった。1960年には1.9リッターエンジンが登場し、「トヨグライド」と名付けられたAT版も追加された。
その後モデルチェンジを繰り返し、クラウンはトヨタを代表する車種であるとともに、日本を代表する高級車となっていった。7代目の「いつかはクラウン」というキャッチコピーは、このクルマが日本の社会に占める位置をよく表している。
2012年に発表された14代目は大型のグリルを採用し、パワートレインの主力はハイブリッドとなった。形を変えながらも、クラウンは日本の高級車の象徴的存在であり続けている。
連載コラム
最新ニュース
-
-
【ホンダ ヴェゼル 改良新型】CMFデザイナーが語る、新グレード「HuNT」にこめた「気軽さ」の表現とは
2024.05.02
-
-
-
季節の変わり目にエアコンが発する悪臭の正体とは? DIYで解決!~Weeklyメンテナンス~
2024.05.02
-
-
-
BMW 4シリーズ グランクーペ が新フェイスに、改良新型を発表…北京モーターショー2024
2024.05.01
-
-
-
トヨタがインドで新型SUV『アーバンクルーザー・タイザー』を発表…Aセグメント再参入
2024.05.01
-
-
-
この顔で中国EV市場に“爪痕”残すか? 日産『エピック・コンセプト』は26年までに市販へ…北京モーターショー2024
2024.04.30
-
-
-
メルセデスAMG『E53』新型、612馬力の電動セダンに…欧州受注開始
2024.04.30
-
-
-
トヨタ・クラウンのアウトドアカスタム「LANDSCAPE」がお披露目…移動時間すらも記憶に残るような車に
2024.04.30
-
最新ニュース
-
-
【ホンダ ヴェゼル 改良新型】CMFデザイナーが語る、新グレード「HuNT」にこめた「気軽さ」の表現とは
2024.05.02
-
-
-
季節の変わり目にエアコンが発する悪臭の正体とは? DIYで解決!~Weeklyメンテナンス~
2024.05.02
-
-
-
BMW 4シリーズ グランクーペ が新フェイスに、改良新型を発表…北京モーターショー2024
2024.05.01
-
-
-
トヨタがインドで新型SUV『アーバンクルーザー・タイザー』を発表…Aセグメント再参入
2024.05.01
-
-
-
メルセデスAMG『E53』新型、612馬力の電動セダンに…欧州受注開始
2024.04.30
-
-
-
この顔で中国EV市場に“爪痕”残すか? 日産『エピック・コンセプト』は26年までに市販へ…北京モーターショー2024
2024.04.30
-