リンカーン・コンチネンタル…なつかしのアメリカ車特集

大きくて豪華なセダンに、パワフルでスタイリッシュなスペシャルティーカー。かつて日本の街角で多くのひとを魅了した1960~70年代のアメリカ車を、週替わりで紹介します。

リンカーン・コンチネンタル

戦前から、GM(ゼネラルモーターズ)のキャデラックに対抗するフォードの最高級ブランドであったリンカーン。代表的なモデルだったコンチネンタルの誕生は1939年だが、日本にその名が広まったのは、61年に登場した4代目からだろう。

当時の流行だった、フラットデッキスタイルを採り入れたクリーンで平面的なデザインにより、全長5.4m、全幅2mという寸法以上に大きく見せていたボディーは、観音開きのドアを持つ4ドアセダンと珍しい4ドアコンバーチブルの2種。ジョン・F・ケネディ大統領が1963年にダラスで暗殺された際に乗っていた大統領専用車は、この4ドアコンバーチブルをストレッチして特殊装備を施したものだった。66年には2ドアハードトップも加わっている。

エンジンは7リッターのV8で、1966年には7.5リッターに拡大。70年に世代交代した5代目ではさらにボディーが大きくなり、最終型では全長5.9m以上にまで達した。いっぽう69年には2ドアハードトップをさらに豪華に仕立てたパーソナルカーのコンチネンタル マークIIIが登場、こちらはマークIV、マークV……と発展していった。

1980年にモデルチェンジした6代目ではダウンサイズされ、7代目(1982年)を経て88年に登場した8代目では、駆動方式をFRからFFに転換。その次の9代目が2002年に生産終了されるとともに、ついにその名が消えた。それから15年、コンチネンタルの名は新たなEセグメントの高級FFセダンに与えられ、2017年モデルとして復活することになっている。​​

[ガズー編集部]