ポンティアック・ファイアーバード…なつかしのアメリカ車特集

大きくて豪華なセダンに、パワフルでスタイリッシュなスペシャルティーカー。かつて日本の街角で多くのひとを魅了した1960~70年代のアメリカ車を、週替わりで紹介します。

ポンティアック・ファイアーバード

1967年にデビューしたスペシャルティーカー。その5カ月前に登場したシボレー・カマロと基本的なボディーシェルを共有する兄弟車で、ボディーもカマロと同じく2ドアハードトップとコンバーチブルの2種だった。

ポンティアックのトレードマークだった2分割グリルなどで独自性を打ち出したボディーに積まれたエンジンは、3.8リッター直6から6.6リッターV8まで数種類。68年にはボンネットスクープに高回転型の6.6リッターV8エンジンなどを備えたラムエア、69年にはリアスポイラーなどで構成されたトランザムと称するオプションパッケージが加わった。

70年にフルモデルチェンジ。ボディーは2ドアクーペのみとなり、標準/エスプリ/フォーミュラ/トランザムの基本4グレードを設定。最もスポーティーなトランザムは6.6リッターV8が標準で、71年には7.5リッターも加わった。この2代目の時代に日本では、トランザムというグレード名が、車名であるファイアーバードよりも世間に浸透。73年からトランザムのボンネットに貼られるようになった火の鳥(ファイアーバード)を図案化した大デカールも人気を博し、その手法を模倣した日本車も現れた。

2代目ファイアーバードは、排ガス規制や石油危機によるパワーダウンを余儀なくされつつも81年まで生き延び、翌82年には特撮TV番組『ナイトライダー』の劇用車であるナイト2000のベースになったことで知られる3代目に世代交代。87年にはコンバーチブルも復活した。94年にはリトラクタブルライトを備えた空力ボディーの4代目となるが、2002年に生産終了、ファイアーバードは35年の歴史の幕を下ろした。その後、2010年にはポンティアック部門が消滅してしまった。

[ガズー編集部]