プリムス・バラクーダ…なつかしのアメリカ車特集
大きくて豪華なセダンに、パワフルでスタイリッシュなスペシャルティーカー。かつて日本の街角で多くのひとを魅了した1960~70年代のアメリカ車を、週替わりで紹介します。
プリムス・バラクーダ
2002年に消滅した、クライスラーの大衆ブランドだったプリムスが、1964年にリリースしたモデル。同ブランドのコンパクトカーだったヴァリアントをベースに、当時世界一面積が広いといわれたリアウィンドウを持つファストバッククーペに仕立てていた。しかし、2週間後に登場したフォード・マスタングの人気には遠く及ばなかった。
67年にはモデルチェンジを実施し、ファストバックに加えてノッチバックのクーペとコンバーチブルも登場。マッスルカーのブームに合わせて、69年にはクーダと呼ばれるオプションパッケージや7.2リッターV8エンジンも加えられた。
70年には再び世代交代。ボディーはノッチバックの2ドアハードトップとコンバーチブルとなり、双方にバラクーダ/グランクーペ/クーダの3グレードを用意。ハイパフォーマンスモデルのクーダは6.3リッターV8エンジンが標準で、7.2リッターV8とSAEグロスで425psを発生する7リッターV8のストリートヘミがオプション設定された。
さらにハイチューンされた5.6リッターV8を積んだSCCAトランザムレース用のホモロゲーションモデルであるAARクーダも市販化され、同時に登場した兄弟車のダッジ・チャレンジャーとともに、3代目は一躍マッスルカーファン注目のモデルとなった。
だがデビューと前後して始まった排ガス規制によって、72年にはストリートヘミ、7.2リッター/6.3リッターV8がカタログから落ちる。性能低下に伴いセールスも下降し、74年をもって生産終了した。今日では生産台数が800台に満たないストリートヘミ搭載の通称“ヘミ・クーダ”を筆頭に、3代目バラクーダはマッスルカーのなかでも特に人気の高いコレクターズアイテムとなっている。
[ガズー編集部]
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