トヨタ・クラウン マジェスタ…日本生まれのビッグセダン

優れた性能を有する大型セダンは、各自動車メーカーのブランドイメージを担うもの。今回は、人々の記憶に残る、日本生まれのビッグセダンをピックアップ。1990年代に登場したモデルを中心に紹介します。

トヨタ・クラウン マジェスタ

「威厳、尊厳」を意味する英語のmajestyに由来するサブネームを持つクラウン マジェスタは、日本を代表する高級車であるクラウンの最上級シリーズである。標準のクラウンとセルシオの間を埋めるモデルとして、またクラウンのライバルである日産・セドリック/グロリアから派生して成功をおさめたシーマへの対抗馬として、1991年にクラウンが9代目に進化した際に誕生した。

マジェスタの登場によりロイヤルシリーズと呼ばれるようになった、クラウンの4ドアハードトップが、クラウンの伝統であるフルフレーム構造だったのに対して、マジェスタはサブフレーム付きのモノコックボディーを採用。既存のクラウン愛好家が違和感を抱かないよう、スタイリングはロイヤルと共通のイメージでまとめられているが、ロイヤルに比べてホイールベースは50mm、全長は100mm長く、全幅は50mm幅広く、全高は20mm低かった。

パワーユニットはセルシオと共通の4リッターV8と、ロイヤルにも使われた当時の新開発3リッター直6。シャシーは同時期にデビューした初代アリストと基本的に共通で、足まわりには4輪ダブルウィッシュボーン式電子制御エアサスペンションを導入。ステアリングもクラウンとしては初めてラック&ピニオンを採用していた。

見た目はクラウンらしさを保ちながら、新たな血を入れていたわけだが、モノコックボディーを含むこれらの新機軸は、ロイヤルシリーズにも次世代モデルから採用された。つまり初代マジェスタは、クラウンシリーズにおける先行開発モデルの役割を果たしていたともいえるのである。

[ガズー編集部]