日産・インフィニティQ45…日本生まれのビッグセダン

優れた性能を有する大型セダンは、各自動車メーカーのブランドイメージを担うもの。今回は、人々の記憶に残る、日本生まれのビッグセダンをピックアップ。1990年代に登場したモデルを中心に紹介します。

日産・インフィニティQ45

バブル景気が頂点に達した1989年、全長5m級、V8エンジン搭載の大型高級セダンが、トヨタと日産から相次いで誕生した。双方とも北米で展開する新たな高級ブランドのフラッグシップとして開発されたモデルで、トヨタがレクサスLS400(日本名セルシオ)、そして日産がインフィニティQ45である。

前年に登場した初代セフィーロを拡大したような、大柄だがスリークな6ライトボディーは、高級車としては異例のグリルレス。代わりに七宝焼の大きなエンブレムがノーズに鎮座していた。内装にも高級車の常識である木目パネルを一切使わず、漆塗りのインストゥルメントパネルがオプション設定されていた。

エンジンは、当時国産乗用車用としては最大の4.5リッターV8。サスペンションは4輪マルチリンクで、上位グレードには量産車としては世界初となる油圧アクティブサスペンションが用意されるなど、これまた高級車には珍しくスポーティーな走りを打ち出していた。

既存の高級車の価値基準に当てはまらないコンセプトは斬新で個性的ではあったが、国内市場の反応は芳しくなく、販売は苦戦。1993年のマイナーチェンジの際に方針を修正しフロントグリルや木目パネルが装着されたが、セールスが上向くことはなく、96年に生産終了した。国内市場では一代限りで姿を消したが、海外市場では国内向けの3代目および4代目シーマをベースとするモデルが、引き続きQ45の名を冠して販売された。

[ガズー編集部]