トヨタ・ウィンダム…日本生まれのビッグセダン

優れた性能を有する大型セダンは、各自動車メーカーのブランドイメージを担うもの。今回は、人々の記憶に残る、日本生まれのビッグセダンをピックアップ。1990年代に登場したモデルを中心に紹介します。

トヨタ・ウィンダム

1991年に登場した、3ナンバーサイズでV6エンジンによる前輪駆動という、当時のトヨタのラインナップでは異色の存在となったアッパーミドルサルーン。当時、北米ではレクサス・ES300として先行販売されていた。

広告のキャッチフレーズは「Are you WINDOM? これがワールドプレステージクラス」。実業家、脳外科医、国際線機長、大学教授といった知的な職業に就く、所得も社会的地位も高いアメリカ人に選ばれたモデルがレクサス・ES300で、その国内版がウィンダム、というストーリー仕立てのテレビCMが印象的だった。

成り立ちとしては、2代目カムリ プロミネントをベースとする4ドアピラードハードトップ。当時のクラウンよりも全長が若干短く、幅が広いアメリカナイズされたプロポーションは、それまでのトヨタ車にはないものだった。横置きされた3リッターV6エンジンによるFFというレイアウトも、トヨタの高級車では初採用。1993年には2.5リッターモデルも追加された。

トヨタ車としては目新しかったウィンダムのコンセプトは、3ナンバーFFセダンの先駆である日産・マキシマ、続いて登場しヒット作となった三菱・ディアマンテなどに近かった。しかし、クラウンを頂点とする既存のトヨタ車のヒエラルキーにとらわれない高級車というイメージは新鮮で、新たな市場の開拓につながった。

[ガズー編集部]

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