トヨタ・三代目コロナ (1964年~) トヨタ名車列伝3話

高度経済成長期に入ると、乗用車市場では激しい販売競争が巻き起こった。特に有名なのは日産のブルーバードと3代目コロナの対決、いわゆる「BC戦争」である。

コロナは1957年に発売が開始されたが、初代、2代目とも性能で日産のダットサン、ブルーバードに見劣りし販売は低迷。窮状を打破したい3代目コロナは、開発担当である田島主査の主導のもと、外観、エンジン、内部機構を一新させ、課題であった振動騒音や馬力を大きく改善。また、この頃に浸透し始めていた全社的なTQC活動により、開発から生産まで確実な品質保証体制が確立されたことも大きく寄与した。

こうして1964年に販売を開始した3代目コロナは、開通間もない名神高速道路で実施された「10万キロ連続高速走行テスト」を完走、優れた高速性能と耐久性を実証したことで多くのお客様に支持された。販売台数も、当時首位を独走していたブルーバードに発売3ヶ月で肩を並べ、翌1965年1月にはついに国内販売台数第1位を達成。後に、33ヶ月連続ベストセラーの大記録を樹立し、名実ともにトヨタの代表車種となった。