トヨタ・4代目カローラレビン/スプリンタートレノ (1983年~) トヨタ名車列伝8話
発売してから10日後には全日本のラリーに参加。1ヵ月後にはオートアクセサリーショーにチューンアップしたエンジンやマフラー、ショックアブソーバーがずらりと並んだ。製品企画室の担当主査である金子幹雄は「エンジン1つ、試作車1台つくるのに3~4ヶ月かかるというのに…。我々が知らないうちに、お客様が“ハチロク”の愛称で、クルマの魅力を広げてくれた」。人気の理由を「モータースポーツへの風当たりが強い時代に、若い人たちに、実にいいタイミングで、低価格で走りの良いクルマを発売でき、草の根モータースポーツにピッタリだったから」と振り返っている。
世界の小型車がFF(前輪駆動)に移行する時代に、あえてこだわったFR。コンパクトでパワーがあり、軽くて俊敏。そして、セダンと一味違う、見た目のかっこ良さが、カローラ/スプリンターの派生モデルでありながら、新しいユーザー層に受け入れられたのである。
“ハチロク”の開発の狙いは、"Fun・To・Drive"走って楽しいスポーツカーの実現。2011年10月から始まった「FUN TO DRIVE,AGAIN.」のスローガン。そして2012年に発売したスバルと共同開発の小型FRスポーツは、“ハチロク”のコンセプト・志を受け継ぎ、車名も「86」。お客様に笑顔になっていただけるクルマづくりは、世代を越えて育まれている。
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