日産・Be-1/パオ/フィガロ (1987年~) バブル時代の名車たち10話
- 生産:1987年
コンセプター坂井直樹のアイデアによる初代マーチのシャシーを流用した3台のデザインコンシャスな限定車で、パイクカー3部作と呼ばれる。口火を切ったのはBe-1。1985年の東京モーターショーにコンセプトカーとして出展したところ、レトロでキュートなルックスが大好評だったため市販化が決定。87年1月に1万台限定で発売されると予約が殺到し、急きょ抽選販売を実施。東京・青山にオリジナルグッズを販売する期間限定のBe-1ショップを出店するなど、話題には事欠かなかった。
冒険気分とレトロのミクスチャーをうたった第2弾のパオ。87年の東京モーターショーに今度は市販化を前提に参考出品され、89年1月から受注開始した。台数限定で販売に混乱をきたしたBe-1の反省から、受注期間を3カ月限定としたところ、予約注文は5万台を超え、納期は最長で1年半を要した。
第3弾にして最終作のフィガロは、前2作と同様に89年の東京モーターショーでデビュー。91年2月から受注、限定2万台が抽選により販売された。ボディーはリアウィンドウ部分まで開くキャンバストップを備えたクーペで、凝った作りゆえの重量増対策としてターボエンジンを搭載。発売時の話題作りとしては、オムニバス恋愛映画『フィガロ・ストーリー』が製作・公開された。
総じてパイクカー3部作は、誕生が85年で終焉(しゅうえん)が91年という期間といい、カタカナ職業人による企画といい、売り手優位の販売方法といい、まさにバブルの申し子のような存在だったといえる。
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