日産・セドリック/グロリア/シーマ (1987年~) バブル時代の名車たち13話

生産:1988年 ~1991年

1988年にデビューした、バブル期を象徴する高級車が初代シーマ。ちょっぴりジャガーXJに似た雰囲気の、Y31セドリック/グロリアをベースにした3ナンバー専用ボディーに、3リッターV6エンジンを搭載。なかでもターボモデルは、アクセルを踏み込むとテールを沈めながらダッシュする、高級車らしからぬ暴力的なまでの加速性能でバブル紳士のハートをガッチリとつかんだ。

最上級グレードでは500万円を超える高価格にもかかわらず、最初の1年間で4万台近く売れるという3ナンバーの高級車としては異例のヒット作となり、高額商品から売れていくという当時の消費行動を象徴する存在として、「シーマ現象」なる言葉まで生まれた。

それまで国産高級車を代表する存在だった、豪華さや高性能のなかにも日本的な情緒や謙譲の美徳を感じさせるトヨタ・クラウンとは異なる高級車像を提示してみせたが、バブル崩壊とともに勢いは急下降。「時代と寝たクルマ」という表現がぴったりのモデルだった。