トヨタ・セルシオ (1989年~) バブル時代の名車たち17話

生産:1989年 ~1994年

 メルセデス・ベンツやBMW、あるいはジャガーやキャデラックといった欧米の伝統あるブランドが群雄割拠する高級セダン市場に、日本車として初めて挑んだ意欲作で、バブルが頂点に達した1989年に登場。トヨタがアメリカで新たに立ち上げる高級ブランド「レクサス」のフラッグシップとして開発された。

 問題を対症療法で処理するのではなく、原因までさかのぼって解決する、「源流対策」と呼ばれる徹底した工作精度の追求によって、圧倒的な高品質と静粛性を実現。動力性能やハンドリングへの評価も高く、レクサスLS400として販売された北米では瞬く間に大人気となり、後発にもかかわらずレクサスは異例なほどの短期間でブランドを確立した。

 その出来栄えで欧米の高級車メーカーを震撼(しんかん)させ、コスト管理やマーケティング戦略、顧客管理なども含め、新たな高級車の指針となったセルシオ/レクサスLS400。当時流行したフレーズ"Japan as No.1"を体現したようなモデルだった。