三菱・ディアマンテ (1990年~) バブル時代の名車たち19話

生産:1990年 ~1995年

三菱初の3ナンバー専用車として、1990年にデビューした4ドアピラードハードトップ。前年の89年に実施された自動車税の改正により、3ナンバー車の税負担が軽減された時期にタイムリーに登場したこともあって、予想を超えるヒットとなった。

駆動方式は、このクラスとしては珍しかったFFと、それをベースにした4WD。一般的にFFは走りの質感ではFRに譲ると言われるが、全長4740mm、全幅1775mmというゆとりあるサイズの恩恵を生かし、同時代のBMWにも似た伸びやかなボディーの前には、たいしたハンディとはならなかった。

電子制御を駆使したお得意のハイテク装備を用意するいっぽうで、価格を抑えたグレードも設定されており、大きくて見栄えがいい割にお買い得なことも人気の理由だった。だが、なんといっても最大のヒット要因は発売のタイミングのよさ。マークⅡやローレルといった市場を争うモデルが3ナンバーサイズになるのは、2~3年後のことだったのである。