パブリカ・スターレット(1973) トヨタが未来に挑戦したクルマたち
トヨタの車両開発史上、「お客様の期待を超えたクルマづくり」に挑み、誕生した個性的なデザインや機能を持ったクルマたち。1970年代から1990年までの中から、そんなクルマを紹介します。
小さなスペシャルティカー
日本初の排出ガス規制である昭和48年規制が実施され、秋には石油危機が起きたことで記憶される1973年に登場した、「トヨタの若い星」ことパブリカ・スターレット。名前が示す通り、当時トヨタのボトムラインを支えていたパブリカの派生車種という位置づけで、若者をねらって当初は2ドアクーペのみだった。
そのキャラクターを一言で表すなら「ミニ・セリカ」。発売当初に用意された、内外装やエンジン、ギヤボックスを、一定の範囲内でユーザーの好みに応じて組み合わせられる「フリーチョイス・システム」も、セリカの「フルチョイス・システム」を簡略化したものだった。
パブリカより低く、幅広いプロポーションを持つボディは、70年代初頭の流行だった曲線を多用したデザインからいち早く脱し、次なるトレンドを先取りした直線基調のクリーンかつスタイリッシュなフォルムで、新時代の到来を感じさせた。
セリカが開拓したスペシャルティカーを大衆車クラスで実現したパブリカ・スターレット。2代目以降のスターレットは実用的な小型ハッチバックとなったが、コンパクトなパーソナルクーペというコンセプトは、後のセラやサイノスに継承された。
パブリカ・スターレットが誕生した年 1973年
・第4次中東戦争がぼっ発。第1次石油ショックが発生
・トヨタ、国内販売累計1000万台を達成
パブリカ・スターレット 1000XTの価格 49.8万円(東京)
当時の大卒の初任給 約5.7万円
[ガズー編集部]
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