カリーナED(1985) トヨタが未来に挑戦したクルマたち
トヨタの車両開発史上、「お客様の期待を超えたクルマづくり」に挑み、誕生した個性的なデザインや機能を持ったクルマたち。1970年代から1990年までの中から、そんなクルマを紹介します。
スタイルで魅せたセダン
1985年にセリカが4代目へとフルモデルチェンジを受けFF(前輪駆動)化された際に、同時にデビューしたフロアユニットを共有する兄弟車種が、カリーナED。“Exciting Dressy”の頭文字を冠したカリーナEDは、トヨタ初となるセンターピラーレスの4ドアハードトップセダンで、4ドアのスペシャルティカーもトヨタとしては初の試みだった。
車高は、カリーナ・セダンより55mmも低いばかりか、量産4ドア車として、当時世界で最も低かった。そのため、居住性は同クラスの4ドアセダンに劣るものの、2ドアクーペより使い勝手は優れていた。何より他に類を見ない、新鮮かつ流麗なスタイリングが幅広い年齢層のユーザーを魅了し、大ヒットしたのである。
この成功を見た他社から、続々と後追いモデルが登場。バブル景気の後押しもあって、1990年代前半の最盛期には、トヨタを含めた国内の自動車メーカー5社から同種のコンセプトを持つモデルがそろった。そのブームを、非合理的で嘆かわしい風潮と見る向きもあったが、それから四半世紀を経た現在、欧州のプレミアムブランドを中心に背の低い4ドアクーペが大いに流行している。カリーナEDは、20年以上時代を先取りしていたのかもしれない。
カリーナEDが誕生した年 1985年
- トヨタ自動車 飛島センター完成
- 他車種を混流し組付をする「フレキシブルボデーライン」が本格稼働
カリーナED 2000Gリミテッド(4A/T)の価格 213.2万円(東京)
当時の大卒の初任給 約14.0万円
[ガズー編集部]
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