日産・スカイライン…CMが印象的だったクルマ

往年のクルマの中には、自動車そのものの魅力はもちろんのこと、そのテレビCMでも多くの人に知られた“名車”があります。そんな懐かしのモデルの中から今回は日産・スカイラインを代表的なCMとともに紹介します。

ケンとメリーのスカイライン(1972)

「ケンとメリーのスカイライン」という広告のキャッチフレーズから、“ケンメリ”と称される、1972年に登場した4代目C110系日産スカイライン。そのCMは、キャッチフレーズの通り、ケンとメリーを演じる若いカップルが主役。スカイラインに乗る彼らが四季折々に見知らぬ土地を訪ねたり、遊びに興じたり、時に物思いにふけったりする姿を追った映像のバックに、男性フォーク・デュオのBUZZ(バズ)が歌う叙情的なメロディーが流れていた。

「愛のスカイライン」をテーマに掲げた先代C10系の広告から基本コンセプトを受け継いだものの、ターゲットとなる対象年齢を下げたその作風は、旧来の硬派なスカイライン党にはクルマ(ケンメリ)ともども軟弱に映った。しかしフレッシュでオシャレな雰囲気ながら嫌みのない、好感度の高いCMとして若年層を中心に強い支持を受ける。CMソング『ケンとメリー ~愛と風のように~』も、今では常識化しているタイアップ・ヒットの先駆けとなった。

ケンとメリー役の男女モデルは途中で交代したものの、およそ5年に及ぶモデルサイクルを通じてCMのコンセプトは不変で、CMソングもさまざまなアレンジを加えながら同じメロディーを奏で続けた。そしてC11​0系は、スカイライン史上最大の成功作となったのである。

[ガズー編集部]