トヨタ・プリウス…CMが印象的だったクルマ

往年のクルマの中には、自動車そのものの魅力はもちろんのこと、そのテレビCMでも多くの人に知られた“名車”があります。そんな懐かしのモデルの中から今回はトヨタ・プリウスを代表的なCMとともに紹介します。

トヨタ・プリウス(1997)

1997年に世界初の量産ハイブリッド車として発売された、初代トヨタ・プリウス。その誕生を告げるCMは、一風変わったファンタジックなものだった。

「手塚治虫さま、あなたが空想したクルマです」というナレーションをバックに、マンガの神様と呼ばれた故・手塚治虫がポートレートで出演。そして「21世紀に間に合いました。」というキャッチコピーにふさわしい、21世紀の世界を描いた『鉄腕アトム』を筆頭に、『リボンの騎士』『ジャングル大帝』『悟空の大冒険』『ブラックジャック』『火の鳥』『三つ目がとおる』といった手塚作品のキャラクターが勢ぞろいして、プリウスの誕生を祝福。アトムの保護者である、科学者のお茶の水博士が、「プリウスは電気とガソリンで動くんじゃ」と“解説”した。 

クルマ社会が避けては通れない環境問題に差し込む一条の光明であり、夢に描かれた未来を確実に現実化した存在だった初代プリウス。その誕生を、手塚マンガのキャラクターに託すことで、ソフトに、しかし印象深く伝えた秀作だった。

[ガズー編集部]