トヨタ・初代 クラウン (1955年~) 歴代クラウン特集1話
- 生産:1955年~1962年
1955年に誕生した初代クラウン。戦中・戦後の技術的空白を取り戻すべく、他社が外国メーカーと技術提携を結ぶなか、独立独歩を選んだトヨタが造り上げた純国産乗用車である。国産量産車初の前輪独立懸架を備えたラダーフレームシャシーに、特徴的な観音開きドアを持つボディーを架装。直4 OHV 1.5リッターエンジン、油圧式クラッチ、2速以上がシンクロメッシュの3段ギアボックスなど、当時の日本車としては進歩的な機構を備えていた。
スタイリングをはじめアメリカ車の影響を受けつつも、サイズその他を日本の国情に合わせて最適化したクラウンは成功作となり、日本人の自動車観を決定づけた。初代クラウンは改良を重ねていくが、特筆すべきは59年に国産初の自動変速機「トヨグライド」を設定したことだろう。当初は半自動式だったが、イージードライブ時代の到来を予測したトヨタの先見の明(めい)は、日本が世界一のAT大国となった後の歴史が証明している。
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