クラウンの軌跡 歴代クラウン紹介

1955 1st CROWN 昭和30年 初代・RS型 軽快・堅牢なシャシー広くて快適な車室

純国産乗用車の黎明期は、ここから始まった。
まだ日本が海外の協力を得ながらクルマを造っていた時代、トヨタは独自の技術だけでクラウンを完成させた。“日本初の技術は、いつもクラウンから搭載される”という自負は初代から継承されていることが分かる。耐久性も当時から抜群で“ロンドン~東京 5万キロドライブ”を敢行し8ヶ月かけて完走。そのパワーを内外にアピールした。
価格は101万4860円で、当時の国民の年間平均所得の約12.5倍。タクシー業界からは乗り降りのしやすい観音開きドアが好評で、タクシー・ハイヤーの定番として全国で愛された。

主な採用技術・装備
■ 観音開きドア
■ 1.5/1.9L 直列4気筒OHVエンジン
■ 前輪独立懸架(ダブルウイッシュボーンサスペンション)<日本初>
■ トヨグライド(2速半自動A/T)<日本初>

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1962 2nd CROWN 昭和37年 2代目・RS40系 クラウンによせられる信頼

王冠のエンブレムが輝き、スペックはより一層ワイドに。
初代を発表してから7年。クラウンは富裕層のみならずタクシー・ハイヤー業界からも支持を得、好調な販売を維持していたが、基本設計の古さが目についてきた。そこで1962年、フルモデルチェンジを行いアメリカン・コンパクトを想わせる、全長4,610mmの伸びやかで美しいフォルムへと大変身を遂げた。また、クラウンのトレードマークともいえる王冠のエンブレムもこの2代目から図案化され、今日までフロントグリルを飾り続けることとなる。

主な採用技術・装備
■ X型フレーム
■ 2.6L V型8気筒OHVエンジン(クラウン・エイトに搭載)
■ 2.0L 直列6気筒SOHCエンジン
■ トヨグライド(完全自動化)<日本初>

1967 3rd CROWN 昭和42年 3代目・MS50系 白いクラウン

高速長距離セダンとして、自家用車マーケットを確立。
“いざなぎ景気”と呼ばれた好景気に沸く日本。各地で高速道路が整備される中、クラウンはゆとりある高速長距離セダンをテーマに開発された。高品質プラス安全性能を盛り込んだ。スタイリングは“日本の美”を意識し、さらに低く長く端正な印象となる。1968年には2ドアハードトップモデルが追加され、スポーティな表情も見せるようになった。
自家用市場を拡大するため黒塗りに対し“白いクラウンは幸せなハイライフの象徴・・・”と謳い、洗練された高級感を喚起させ、個人ユーザーの需要を加速させることになった。

主な採用技術・装備
■ 2ドアハードトップボディ追加
■ パワーステアリング
■ ペリメーターフレーム<日本初>
■ パワーウインドゥ
■ フロント・ディスクブレーキ

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1971 4th CROWN 昭和46年 4代目・MS60系 エレガンツ・クラウン誕生

愛称はくじら。空力意識のスビンドルシェイプ。
日本経済は順調に推移していたが、円は変動相場制に突入。世相的にも本当の“美しさ”“豊かさ”を模索し始めた時期であった。クラウンもそうした影響を受けたのか、美しい丸みを帯びたスピンドルシェイプに変身。エクステリアのデザインも斬新だった。走りでは空力を意識するだけでなく、新型2.6LエンジンやEFI(電子制御燃料噴射)を搭載し、個性ある高級サルーンへと生まれ変わった。また車名を「トヨペット・クラウン」から「トヨタ・クラウン」へ変更。

主な採用技術・装備
■ ボディ一体型カラードバンパー
■ 3速EAT(電子制御式自動変速装置)
■ 2.6L 直列6気筒SOHCエンジン
■ 後輪ESC(横滑り防止装置)
■ EFI(電子制御燃料噴射装置)

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1974 5th CROWN 昭和49年 5代目・MS80系 美しい日本のクラウン

新の高級車として進化した、ロイヤルサルーン誕生
オイルショックの混乱が続く中でも、クラウンは進化を止めなかった。新たに4ドアピラードハードトップが誕生し、スタイリングは落ち着きと安定感が強調された。またオーバードライブ付4速A/Tや車速感応型パワーステアリングなど、高級車に相応しい装備を搭載。広告には女優・吉永小百合さんを起用。美しさと風格の漂うクラウンとなった。

主な採用技術・装備
■ 4ドアハードトップボディ追加
■ 2.2L 直列4気筒SOHCディーゼルエンジン
■ オーバードライブ付4速A/T<世界初>
■ 車速感応型パワーステアリング<日本初>
■ 4輪ディスクブレーキ
■ ペダル式パーキングブレーキ
■ 後席パワーシート
■ TTC-C(触媒方式による排ガス対策技術)

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1979 6th CROWN 昭和54年 6代目・MS110系 日本の薫り

多くの信頼を集め、直線を基調とした正統派スタイル。
70年代最後の年。東京サミットが開催され、日本経済は立ち直りつつあった。この年6代目は誕生する。すでに日本の高級車として確固たる地位を確立していたクラウンは奇をてらうことなく、より重厚な佇まいへとシフトした。開発趣旨は「ゆとりと信頼性、静粛性にすぐれた室内、省資源」をキーワードとし、エンジンにはトヨタ初のターボ車を投入するなど、80年代を見据えた様々な革新に満ちていた。

主な採用技術・装備
■ ツートンボディカラー
■ 2.8L 直列6気筒SOHCエンジン
■ ターボエンジン(2.0L 直列6気筒SOHC)
■ ECT(マイコン制御式自動変速装置)
■ 前席パワーシート
■ クルーズコンピュータ(消費燃料・平均車速などを表示)

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1983 7th CROWN 昭和58年 7代目・MS120系 いつかはクラウン

人々の記憶に今も残り、語り継がれることになるステイタス。
バブル前夜の1983年。多くの日本企業が確かな国際競争力を身に付け始めていた頃。7代目クラウンが発表された。セダンと4ドアハードトップの2ボディ展開で、エンジンは11種類にものぼり、1985年には日本初となるスーパーチャージャーを搭載。足回りでは4輪独立サスペンションの採用。ABSの先駆けとなる4輪ESCを標準装備するなど、クラウンならではと言える先進的な進化を遂げた。そして“いつかはクラウン”のコピーと共に、成長し豊かになった日本を象徴するかのようなステイタスシンボルとなる。個人ユーザーの需要を加速させることになった

主な採用技術・装備
■ 3.0L 直列6気筒DOHCエンジン
■ スーパーチャージャーエンジン(2.0L 直列6気筒DOHC)<日本初>
■ 四輪独立懸架サスペンション<日本初>
■ 四輪ESC(ABSの前身)<日本初>
■ 前席マルチアジャスタブル・パワーシート(電動8WAY)
■ リアラウンジ・パワーシート(左右6:4独立スライド)
■ メモリー付チルト&テレスコピックステアリング<世界初>

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1987 8th CROWN 昭和62年 8代目・MS130系 満たされて、新しいクラウン

ハイテク自体の高級車へ。先進と躍動のクラウン
日本全体が浮き足立っていたとも言える享楽の時代。ハイテク、エレクトロニクスという言葉が盛んに飛び交っていたとおり、クラウンも電子制御エアサスペンションやエレクトロマルチビジョンなど、最先端のハイテク装備を意欲的に導入。また、3ナンバー専用ボディを設定し、セルシオに先駆けたV8エンジンを搭載するなど、「クラウンを超えるのはクラウンしかいない」という気概を感じさせるモデルチェンジであった。

主な採用技術・装備
■ 3ナンバー専用ボディ
■ 4.0L V型8気筒DOHCエンジン
■ 電子制御エアサスペンション
■ TRC(トラクションコントロール)<日本初>
■ CDインフォメーション(ナビシステムの前身)<世界初>

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1991 9th CROWN 平成3年 9代目・JZS140系 すべては、クラウン

品格・歴史・個性をテーマに開発。威厳という名のマジェスタも新登場。
株価急落。また経済のみならず、世界情勢も不安定だった年。90年代最初のクラウンが登場する。バブル期から低迷期という混乱の時も、クラウンは信念を持って開発を進め、新シリーズの“マジェスタ”を発表。V8エンジンを搭載し、世界最高レベルの静粛性を実現させる。一方ロイヤルシリーズはより若々しくウェッジシェイプの効いたボディへ。輸入車からも高級車が続々と参入する中、確固たるクラウンらしさを見せつけることとなった。

主な採用技術・装備
■ 「マジェスタ」シリーズ登場
■ 3.0L 直列6気筒DOHCエンジン(新開発)
■ 5速A/T
■ エレクトロマルチビジョン(GPSナビ付)

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1995 10th CROWN 平成7年 10代目・JZS150系 美しく、走る。日本のクラウン

ナンバー1の使命として、環境と安全の新技術をふんだんに搭載。
大きな天災や事件の多かった1995年。人々が新しい価値観を模索していた時代、クラウンも時代が求めるクラウンに変革できるかが問われていた。その顕れがVSCなどの安全や、環境に寄与する新技術の惜しみなき搭載だ。特に重要なトピックは、すべてのグレードにおいて伝統のフルフレームからモノコックボディへの移行であり、これにより剛性等の安全性はさらに進歩した。“常に挑戦”、これがクラウンの哲学なのである。

主な採用技術・装備
■ モノコックボディ
■ 4WD設定
■ VVT-i(連続可変バルブタイミング)
■ VSC(車両安定制御システム)
■ 前席エアバッグ標準装備化・サイドエアバッグ設定
■ GOA(衝突安全ボディ)
■ ブレーキアシスト

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1999 11th CROWN 平成11年 11代目・JZS170系 21世紀へ。このクラウンで行く

20世紀最後のクラウンを、走りのアスリートで魅せた。
夢に見ていた21世紀はすぐそこまで来ていた。高級セダンとしての地位を確立しながらも決して甘んじない“攻め”の姿勢を取り続けるクラウンは、走りにこだわるヤングエグゼクティブをターゲットに“アスリート”を発表。まるで“ZERO CROWN”を自ら予言していたかのようなスポーティなシリーズだ。新世紀を迎えた2001年にはマイルドハイブリッドシステムを搭載し、環境への配慮においても高く評価された。

主な採用技術・装備
■ 「アスリート」シリーズ登場
■ 「エステート(ワゴンボディ)」フルモデルチェンジ
■ D-4エンジン(ガソリン筒内直接噴射)
■ 280PSエンジン(アスリートV)
■ マイルドハイブリッドシステム(THS-M)<世界初>
■ ディスチャージヘッドライト

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2003 12th CROWN 平成15年 12代目・GRS180系 ZERO CROWN

かつてゴールだったクルマが、いまスタートになる。
多くの人々の憧れのセダンであったクラウン。しかし、時代とともに志向は細分化し、若い世代にとってクラウンは興味の対象外となってしまった。その危機感から走りを本物にし、デザインもイメージも刷新したいと考えた。半世紀にわたる伝統の重みを感じながらも、敢えて“原点からのクルマづくり”に挑んだのである。その熱い思いを、“ZERO”というキーワードに込めて、「日本独創」をテーマに、世界に通用するクルマという命題を自らに課し、結果、力強い走りを約束する“躍動”のイメージを際立たせる進化を遂げた。

主な採用技術・装備
■ 新プラットフォーム+新開発 V型6気筒エンジン
■ シーケンシャルシフト付6速AT
■ AVS(減衰力制御付電子制御サスペンション)
■ インテリジェントAFS(進行方向へのヘッドランプ自動照射)
■ ナイトビュー(歩行者検知機能付夜間運転支援システム)
■ 歩行者傷害軽減ボディ構造<世界初>
■ スマートエントリー&スタートシステム

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2008 13th CROWN 平成20年 13代目・GWS200系 超えてゆく、ブランド

ZERO CROWN をベースに、さらなる革新を図る。
「安心」と「信頼」といったクラウン伝統の資質を受け継ぎながら、積極的に先進技術を採り入れ、世界基準の性能を確保しつつ日本人の感性と調和する魅力を備えた13代目クラウン。開発チームは、ZERO CROWNの再評価からスタート。エンジンやプラットフォームを継承しながら、ポテンシャルをもっと引き出すために筋肉を強化し、運動神経をさらに発達させることで、ドライバーが、目で見て、ふれて、走らせて“あぁ、すごい”と感動できる性能を手に入れる事に成功した。

主な採用技術・装備
■ TFT液晶ファイングラフィックメーター(ハイブリッドに搭載)
■ ドライバーモニター付プリクラッシュセーフティシステム<世界初>
■ VDIM(統合車両姿勢安定制御システム)
■ VGRS(ギヤ可変ステアリング)
■ ナイトビュー(歩行者検知機能付)搭載
■ アクティブノイズコントロール

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2012 14th CROWN 平成24年 14代目・AWS210系 CROWN ReBORN

かつてない飛躍をとげ、生まれ変わった14代目クラウン。
クラウンとは何か。クラウンのあるべき姿とは何か。
原点でもある「革新への挑戦」に立ち返り、生まれ変わった新時代のクラウン。より大胆に、強い個性を打ち出した新しいデザインはもとより、環境への配慮と爽快な走りを高次元でバランスさせた新開発の2.5L ハイブリッドシステムなど、単なる進化の延長線上にはない、ダイナミックな飛躍を遂げた。

主な採用技術・装備
■新開発2.5L ハイブリッドシステム
■「いなし」と「張り」をテーマにチューニングした新開発サスペンション
■トヨタマルチオペレーションタッチ
■アダプティブハイビームシステム(AHS)
■インテリジェントクリアランスソナー
■ドライブスタートコントロール

MORIZO on the Road