トヨタ・キャバリエ…一代限りとなったクルマ

今回は、光る個性があるにも関わらずモデルチェンジされなかった車種や、目的をもって市場に投入されながらもその後開発が継続されなかった、“一代限りのクルマ”を取り上げます。

トヨタ・キャバリエ

トヨタのキャバリエは、日本からの輸出過多による日米自動車摩擦の緩和を図るべく誕生したモデル。右ハンドル化やウインカーレバーの移設など、日本市場に適合すべくアレンジした米国GMのシボレー・キャバリエをトヨタが輸入販売したもので、1996年に発売された。
アメリカ生まれとはいうものの、そのボディーサイズはトヨタの当時のラインナップではカムリ/ビスタに近いもので、4ドアセダン(全長×全幅×全高=4595×1735×1395mm)と2ドアクーペ(同4600×1740×1355mm)の2タイプが用意された。エンジンはともに、2.4リッター直4 DOHCエンジン(150ps/6000rpm、22.1kgm/4400rpm)が採用されていた。

同級の日本車と比べても割安感のある、輸入車としては異例の低価格戦略がとられ、万全のサービス体制のもとで販売されたが、成績は低迷。アメリカ車好きで知られるタレントの所ジョージをイメージキャラクターに迎え、彼のプロデュースによるブルーに白いストライプが入ったアメリカン・レーシング風カラーリングの特別仕様車を設定するなどのテコ入れが行われた。
しかし、セールスは目標販売台数の半数以下にとどまったまま上向くことはなく、予定していた5年の販売期間を前倒しして、2000年には輸入が打ち切られた。

[ガズー編集部]

MORIZO on the Road