ホンダ・エアウェイブ…一代限りとなったクルマ

今回は、光る個性があるにも関わらずモデルチェンジされなかった車種や、目的をもって市場に投入されながらもその後開発が継続されなかった、“一代限りのクルマ”を取り上げます。

ホンダ・エアウェイブ

2002年にオルティアが販売終了してから、ホンダでは空白となっていた、5ナンバーサイズの小型ステーションワゴン。2005年、その市場に向けて約3年ぶりに登場したのがエアウェイブである。ゆとりある居住空間とクラストップの容量(当時)を誇る荷室を両立するため、センタータンクレイアウトを採用した初代フィットのプラットフォームをベースに開発された。

低床フラットフロアと多彩なシートアレンジにより、使い勝手のよさを実現したことが、大きな訴求ポイント。ルーフ面積の半分以上をガラス化した“スカイルーフ”装着車は開放感も抜群だった。パワートレインは1.5リッター直4 VTECとCVTの組み合わせで、駆動方式はFFと4WDを用意。重量のあるガラスルーフを搭載するモデルでもパワーは十分で、燃費性能も10・15モードでリッターあたり18.0km(FF車)と優れていた。

しかし、ロールーフのストリームと後発となるハイルーフのフリードという2種の3列シートミニバンに比べると、お得感に欠けるきらいがあったうえ、4ナンバーの商用バンである2代目パートナーとボディーを共用することもマイナス要因となってか、セールスは伸び悩み、2010年に生産終了となった。一代限りでその名は消滅したが、翌2011年には、実質的な後継モデルとなるフィットシャトルが登場した。

[ガズー編集部]

MORIZO on the Road