【連載全10話】第6話 スズキ・セルボ・・・軽規格のスペシャルティーカー特集

小さいからと侮るなかれ。日本独自の軽乗用車の規格からは、個性豊かなスペシャルティーカーが多数生まれました。そのなかから特に注目したい10車種をピックアップし、週替わりで紹介します。

スズキ・セルボ

1988年初頭に登場した3代目セルボ。360ccから550ccへの軽規格の改定に伴い、RRのフロンテクーペを拡大した初代、FF化されたフロンテから派生したクーペだった2代目に対して、この3代目は、ベースとなった2代目アルトと同様に軽ボンバン(ボンネットバン)こと商用車登録のモデルのみとなった。

主に、アルトのウエストラインから上を改変した、ロングルーフのハッチバックボディーは、前端からBピラー部分までをスモークガラスとしたルーフがスタンダード。エンジンは、新開発された547cc自然吸気の直3 SOHC 12バルブのみ。同年秋に世代交代するアルト/フロンテに先駆けて採用されたものだが、先代に設定されていたSOHCターボや、すでにスズキには存在していたDOHCや同ターボなどの高性能ユニットは用意されなかった。駆動方式はFFとパートタイム4WDがあり、変速機は5段MTまたは3段AT(FFのみ)だった。

その後も世界初となる電動パワーステアリング装着車が設定されたくらいで、グレード追加やマイナーチェンジが施されることもなく、1990年1月に軽規格が550ccから660ccに拡大された際に生産終了。個性的なスタイリングが災いしてか人気は芳しくなく、生産期間が実質2年という短命に終わった。

[ガズー編集部]

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