【連載全10話】第7話 スズキ・セルボ モード・・・軽規格のスペシャルティーカー特集

小さいからと侮るなかれ。日本独自の軽乗用車の規格からは、個性豊かなスペシャルティーカーが多数生まれました。そのなかから特に注目したい10車種をピックアップし、週替わりで紹介します。

スズキ・セルボ モード

1990年1月に軽規格の排気量上限が550ccから660ccに拡大されたのを受けて、同年7月に“モード”というサブネームを加えて登場した4代目セルボ。初代および2代目のクーペ、3代目のグラストップを持つロングルーフの3ドアハッチバックに対し、4代目のボディーはややオーソドックスな3ドアハッチバック。ことルックスに関しては、スペシャル感は薄れた。

代わりにセルボ モードが訴求したのは上質感。ベース車のアルトがスペース効率を追求した結果、スクエアなデザインとされたのに対し、セルボ モードのボディーはエッジが丸められた。さらにボディー剛性を高め、遮音材を増やし、インテリアには上級の素材を使うなどした結果、車内の快適性は向上していた。パワーユニットは直3 SOHC 12バルブターボと、新開発された直4 DOHC 16バルブターボ。後者はスズキの軽としては初の4気筒であると同時に軽初の直4ターボ(直4スーパーチャージャーはスバル・レックスが採用)でもあり、プレミアム感のアピールにつながった。

デビューから4カ月後には5ドアハッチバックと自然吸気の直3 SOHC 12バルブエンジンを追加。その後は数度のマイナーチェンジを経て、1996年には丸型ヘッドライト、メッキ仕上げのグリルやバンパーなどを備えた、軽市場でブームとなっていたレトロ調スタイルのセルボCを追加設定。ベースとなったアルトの2世代分に近い8年間を生き抜き、1998年に衝突安全性の向上を目的に軽規格が改定されるまでつくられた。

[ガズー編集部]

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