マツダ・コスモ…絶版モデルとなった往年の人気車種

広く世の中に知られていたにも関わらず、時代の流れとともにカタログから消えてしまったあのクルマ。今回は国産車の中から、そんな“有名な”モデルを紹介します。

マツダ・コスモ (1967~1996年)

コスモの名を冠したモデルは4世代にわたる。だが、それらに共通する明確なコンセプトは存在せず、生まれた時代によって成り立ちと性格を変えていた。
コスモスポーツの名で1967年に誕生した初代は、マツダ初、そして世界初となる2ローターのロータリーエンジンを積んだ2座スポーツカー。マツダのイメージリーダーとして、6年間に1176台だけ生産された。

1975年にコスモAPと名乗って登場した2代目は、5座のスペシャルティカーに変身。ボディはファストバッククーペのほか、遅れてノッチバッククーペのコスモLも加えられ、ロータリーだけでなくレプシロエンジンも搭載された。81年に世代交代した3代目は、フラッグシップセダンだったルーチェの兄弟車となり、4ドアセダンやディーゼルエンジン搭載車までラインナップ。スペシャル感はさらに薄れた。

4代目はユーノス・コスモ。バブルがピークに達した90年に、贅(ぜい)を尽くした4座パーソナルクーペとしてデビュー。ロータリー専用車に戻り、上位グレードには3ローターのターボエンジンを搭載。バブル崩壊後もほそぼそと作り続けられたが、95年に生産終了、コスモの名は封印された。

こうした変遷をたどったコスモだが、エポックメイキングなモデルとして日本車史に刻まれた初代の存在感が抜きんでている。そして次点を挙げるならば、ある意味において一時代を象徴する一台といえる4代目だろう。

[ガズー編集部]