トヨタ・クレスタ…絶版モデルとなった往年の人気車種

広く世の中に知られていたにも関わらず、時代の流れとともにカタログから消えてしまったあのクルマ。今回は国産車の中から、そんな“有名な”モデルを紹介します。

スペイン語で「西洋の紋章の頂（いただき）に輝く飾り」という意味を持つクレスタの誕生は1980年。初代X50系の車格は既存の兄弟車種であるマークII／チェイサーとほぼ同じだが、ボディは4ドアピラードハードトップのみで、トピックは新開発された1G-EU型2リッター直6エンジンの採用だった。その約半年後にマークII／チェイサーはフルモデルチェンジ。基本構造は先にデビューしたクレスタと共通となり、ここにいわゆる“マークII 3兄弟”が誕生したのである。

1984年に登場した2代目X70系以降は3兄弟そろって世代交代を迎えるが、2代目からクレスタのボディは4ドアセダンとなる。生まれた順番からすれば末弟だが、万人向けのマークII、スポーティーなチェイサーに対して、クレスタには3兄弟のなかでもっとも大人向けの、落ち着いた高級パーソナルセダンというキャラクターが与えられていた。
この2代目X70系および3代目X80系の3兄弟は、自らが火をつけた“ハイソカー・ブーム”の中心的存在として大ヒット。特にバブル景気がピークに達した88年に登場した3代目X80系は、歴代3兄弟の中で最多販売台数を記録したのだった。

[ガズー編集部]