マツダ・ファミリア…絶版モデルとなった往年の人気車種

広く世の中に知られていたにも関わらず、時代の流れとともにカタログから消えてしまったあのクルマ。今回は国産車の中から、そんな“有名な”モデルを紹介します。

マツダ・ファミリア (1963~2003年)

スペイン語で「家族」という意味を持つファミリアの誕生は1963年。当初は4ナンバーの商用バンのみで、それを5ナンバー化したワゴンを経て、車名にふさわしいファミリーカー向けの4ドアセダンが登場したのは、デビューから1年後のことだった。市場ではまずまず好評で、67年に世代交代した2代目はロータリーエンジン搭載車を加えるなどして順調にシェアを伸ばした。

80年にFF化されて登場した5代目は、ファミリア史上のみならず、マツダ史においても最大の成功作となった。3ドア/5ドアハッチバックのクリーンでスタイリッシュなデザインとバランスのとれた性能で爆発的にヒット。「赤いファミリア」ことイメージカラーの赤をまとった3ドアハッチバックの流行は、社会現象として語られたほどだった。

その後も小型車市場における定番モデルとしてのポジションをキープしていたが、94年に登場した8代目あたりからマツダの経営悪化もあって商品力が相対的に低下。後継モデルであるアクセラの誕生に伴い、最終世代となった9代目が2004年に販売終了した。ただし厳密に言えば、その名は日産ADバンのOEMであるファミリアバンに、現在も残されている。

[ガズー編集部]