トヨタ・コロナ…絶版モデルとなった往年の人気車種

広く世の中に知られていたにも関わらず、時代の流れとともにカタログから消えてしまったあのクルマ。今回は国産車の中から、そんな“有名な”モデルを紹介します。

トヨタ・コロナ (1957~2001年)

1957年に誕生した初代コロナ。その名は英語で太陽の光冠を意味するが、王冠を名乗る兄貴分のクラウンが中型タクシー市場を押さえていたのに対し、小型タクシー市場を独占していた日産のダットサン110型/210型への対抗馬としてデビューしたのだった。しかしダットサンの牙城は厚く、60年に世代交代した2代目コロナも、210型の後継である初代ブルーバード310型の後塵(こうじん)を拝した。

ところが64年に3代目コロナ(RT40系)が登場すると、潮目が変わった。タクシーからマイカー需要に主流が移った市場で、双方の頭文字から「BC戦争」と呼ばれた、ブルーバードとの激しい販売合戦を制したコロナは、68年に弟分のカローラに明け渡すまでベストセラーの座を堅持。トヨタを国内シェアトップに押し上げる原動力となったいっぽうで、輸出でも国産ナンバーワン銘柄になったのである。

その後はもっぱら堅実なユーザーに好まれるファミリーカーとして代を重ねてきたが、96年に登場した11代目ではプレミオのサブネームが付けられた。そして、2001年に実施された次のフルモデルチェンジの際に、プレミオが本名に昇格、コロナの名は44年にわたる歴史に幕を下ろしたのだった。

[ガズー編集部]