トヨタ・2000GT(1967年~) トヨタ 歴代スポーツカー<1960年代>2話後編
第2話 トヨタ2000GT[後編]
トヨタ2000GTにまつわる話題は、こうしたいわば“硬派”なものだけではなかった。67年春の市販開始後間もなく公開された映画『007は二度死ぬ』に、突貫工事で製作されたオープン仕様が登場。設定では英国情報部が用意した車両ではなく、ジェームズ・ボンドが運転しないので、いわゆるボンドカーではないのだが、海外でもモデルカーが作られるなど、世界に向けてのPRには大いに役立った。
また、当時「ミニスカートの女王」と呼ばれ、人気絶頂だった英国人トップモデルのツイッギーとのコラボレーションも果たしている。67年秋の東京モーターショーの時期に来日した彼女は、トヨタのスタンドに展示された特別色のゴールドに塗られたトヨタ2000GTの側でほほ笑み、ショーの話題をさらった。このゴールドのトヨタ2000GTは帰国する彼女とともに英国に渡り、愛用されたという。
70年までに337台しか作られなかったトヨタ2000GTは、それをプロデュースしたトヨタはもちろんのこと、1960年代の日本の自動車工業の頂点を示す象徴的存在として、語り継がれる存在なのである。
1967 トヨタ2000GT
1967年の第14回東京モーターショーのトヨタブースにて、特別色のゴールドに塗られたトヨタ2000GTとツィッギー。ゴールドのトヨタ2000GTは3台造られたといわれ、うち1台は現在ヤマハ発動機が所有している。
生産:1967~1970年









