トヨタ・スターレット ターボ(1986年~) トヨタ 歴代スポーツカー<1980年代>5話

第5話 スターレット ターボ

トヨタのホットハッチといえば、駆動方式がFRだったものの、第1号は1970年代の第4話で紹介したスターレット1300Sである。このボーイズレーサーも、1984年のフルモデルチェンジでようやくFF化された。例によってEP71の型式名で呼ばれる新型のスポーティーグレードであるSi/Riは、インジェクション仕様の直4SOHC12バルブ1.3リッターエンジンを搭載。自ら「かっとびスターレット」と名乗って、俊足をアピールした。

86年には、インタークーラー付きターボでさらにスープアップしたターボS/Rを追加。軽量コンパクトという天性の資質に加えてターボという飛び道具を得た末弟は、「韋駄天ターボ」や「辛口ターボ」という看板に偽りなしの速さを見せた。実際、発進加速では兄貴分のレビン/トレノ1600GTやFX1600GTを上回る部分さえあり、トヨタでは珍しい下克上を成し遂げたやんちゃ小僧だった。

スターレット ターボ

86年に3代目スターレットに追加された3ドア1300ターボS。空冷式インタークーラー付きターボは、過給圧を高低2段階に調整する「2モード・ターボシステム」を備えていた。