【連載全9話】第2話 トヨタMR2・・・スーパーチャージャー付きの日本車特集


“過給エンジン”といえば、今の主流はターボエンジン。そして、クルマの内燃機関からさらなるパワーを引き出すアイテムとしてもうひとつ挙げられるのが、スーパーチャージャーです。今回は、その搭載車として知られる日本車を紹介します。

トヨタMR2

1984年にデビューしたMR2。車名はMidship Runabout 2 seater(2座の小型ミドシップ車)の略で、トヨタとしては当時スポーツカーをうたってはいなかったものの、実質的には日本初の市販ミドシップスポーツだった。リトラクタブルライトを備えた全長4m弱のウエッジシェイプのボディーのキャビンの背後に、エンジンを横置きするFF車のパワートレインを配置するという、フィアットX1/9が始めたレイアウトを採用していた。

パワーユニットはカローラ/スプリンターからの流用で、1.5リッター直4 SOHCとAE86ことレビン/トレノGTに使われていた1.6リッター直4 DOHC16バルブを、横置き用にアレンジした4A-GELU型。ミドシップらしい軽快なハンドリングは評価されたが、スポーツカーらしく走らせるためにモアパワーをという声に応え、1986年のマイナーチェンジの際にスーパーチャージドエンジン搭載車がTバールーフとともに追加設定された。

過給器でもターボではなくスーパーチャージャーを選んだ理由は、基本的に敏感な操縦性を持つミドシップには、レスポンスがよく低中速域に強いスーパーチャージャーのほうが向いていると考えたから。先行していたクラウン用の容量を縮小し、新たに空冷式インタークーラーを加えたルーツ式スーパーチャージャーを備えた1.6リッター直4 DOHC 16バルブの4A-GZE型は、自然吸気版の最高出力120PS/6600rpm、最大トルク14.5kgf・m/5200rpmに対して145PS/6900rpmと19.0kgf・m/4400rpmにパワーアップ。とりわけトルクの増強が目覚ましく、自動車専門誌のテストで記録した加速データは自然吸気版より大幅に向上していた。

[GAZOO編集部]

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