日産・セドリック/グロリア ターボ…日本生まれのターボ車特集

エネルギー効率の観点から、ターボ付きエンジンを採用するクルマが増えています。そこで今回は、1980~90年代のモデルを中心に、代表的な日本のターボ車を振り返ります。

日産・セドリック/グロリア ターボ

1979年6月に登場した、型式名430こと5代目セドリック/6代目グロリア。同年12月、双方の4ドアセダン/4ドアハードトップに、国産乗用車初となるターボエンジン搭載車が追加設定された。

L20ET型と呼ばれる、ターボチャージャーを装着した2リッター直6 SOHCエンジンは、ある回転域から急激にパワーが盛り上がる、初期のターボ車特有の“ドッカンターボ”ながら、最高出力145ps/5600rpm、最大トルク21.0kgm/3200rpmを発生。ターボが効きだしてからは、ベースとなったL20E型(130ps、17.0kgm)はもちろん、最上級グレードが積んでいた2.8リッター自然吸気のL28E型(145ps、23.0kgm)よりもパワフルに感じられるほどだった。組み合わされる変速機は当初は5段MTのみで、半年ほど遅れて3段ATが加えられた。

デビュー当初は、石油危機後の世間に漂っていた省資源・アンチ高性能ムードを考慮して、広告ではターボを「廃棄していたエネルギーを再利用した、省資源と高性能を両立させるデバイス」と説明していた。だが、実際にはターボパワーを使ってそれらしく走らせれば、燃費は悪化した。とはいうものの、当時は3ナンバー車の自動車税が禁止税的に高額だったこともあり、5ナンバーで2.8リッター車並みの走りが得られるセドリック/グロリア ターボは、市場ではまずまずの好評価。追ってライバルのトヨタ・クラウンも、1980年にはターボ仕様をラインナップした。

[ガズー編集部]