【連載全13話】第6話 ランボルギーニLM002・・・12気筒エンジン搭載の名車特集

電動化の波が押し寄せるなか、その存在が危ぶまれる大排気量の多気筒モデル。今月は、その象徴ともいえる世界の12気筒エンジン搭載車をピックアップ。週替わりで紹介します。

ランボルギーニLM002

ロールス・ロイスやベントレーといった高級車メイク、ポルシェ、ランボルギーニやフェラーリなどのスポーツカーメイクまで、こぞってSUVをラインナップしている昨今。それらの元祖的存在としてにわかに脚光を浴びたのが、1986年にランボルギーニがリリースしたLM002。世界初となるV12エンジン搭載のオフローダーである。

その誕生の経緯はいささか複雑だ。そもそもはランボルギーニが米軍の制式採用を目指し、米国MTI社と共同開発して1977年に登場したプロトタイプのチーターに始まる。これはクライスラー製V8ユニットをミドシップしており、その後につくられたLM001もやはりミドシップだったが、テールヘビーゆえのハンドリングの悪癖が消せなかった。そこでいったん計画を白紙に戻し、フロントエンジンに転換して生まれたのがLM002である。

鋼管フレームにFRPとアルミの混成によるボディーを載せ、パワーユニットはカウンタック5000QV用の5.2リッター60度V型12気筒48バルブを最高出力420PSにまでデチューンしてフロントに搭載。駆動方式は副変速機付き5段MTを介したパートタイム4WDで、優れたオフロード性能と最高速度210km/h、0-100km加速7.8秒という快速を両立していた。高級SUVの元祖らしくエアコンや革張りシートも選択可能で、1993年までに300台以上がつくられた。

[GAZOO編集部]

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