【ラリージャパンを1000倍楽しもう!】セントラルラリーの会場で聞いた「ラリーの魅力」② レースオフィシャルの声
WRCラリージャパンの2020年開催が決定したことにより、ラリーへの関心の高まりを徐々に感じています。それは、11月9日~10日に愛知・岐阜で開催された「セントラルラリー」に本当にたくさんのギャラリーが来場したことからも分かります。
一方で、ラリーに行ったことも見たこともないという方にとっては、ラリーがどんな競技なのかいま一つ理解できないというのが正直なところではないでしょうか。
今回は、「セントラルラリー」の会場で、レースオフィシャルの方にインタビューし、ラリーの「楽しみ方」や「魅力」をそれぞれの立場から教えていただきました。
実際に皆さんの目で見て体感していただきたいですね
公道を走り、時にはクラッシュなどのトラブルも発生しがちなラリー。不可抗力でペナルティを受ける可能性が出てしまった選手とオフィシャルとの中間に入り問題解決を図ったり、レギュレーションの解釈の相談に乗ったりするなど、円滑な競技進行のためにラリーには「CRO」という役職のオフィシャルがいます。選手のこともオフィシャルのことも考える中立的であり重要なポジションです。今回のセントラルラリーは丸山尚人さんが担当されていました。
丸山尚人CRO
「初めてラリーを観戦される皆さんに見に行っていただくとしたら、実際走っているところを見ていただきたいですね。安全な場所を主催者が確保していますので、実際に皆さんの目で見て体感していただきたいですね。そしてサービス。ここは普段はなかなか見られないクルマや作業を目の前で見られます。その二つを抑えていただけると、だんだんラリーというものわかってくるのではないでしょうか。そして、理由はいろいろあるでしょうが、好きなチームやクルーを探して、そして応援してと、それがラリーを楽しむ近道ですね。
私は競技としてはナビゲーターをやっていました。その後、北海道で開催したWRCでCROの通訳を頼まれたことが主催側にまわるようになったきっかけですね。CROにずっとくっついて、色々と勉強させていただいて、それを何年かやったのち、全日本ラリーのCROをやらせていただくようになりました。」
県道を走れるというのは実はすごいことなんです!
ラリーは決められた出走順に走行しますが、SSやリエゾンを走るうちに追い抜かれたりして順番がバラバラになってしまうことがあります。それを再度調整して等間隔にスタートさせます。その管理を行うのがリグループコーディネーターです。今回は園田さんが担当されていました。園田さんが体感したセントラルラリーの感想は?
園田裕康リグループコーディネーター
「ラリーは身近になりましたね。サービスも、仕切りはありますけどクルマが近くで見られて、親しく接することができるのがいいですね。観戦は、やっぱり林道が楽しいんじゃないでしょうか。今回も短いテージですが見られるようになっています。観客席は高台に設定されているので安全に観戦できます。
今回、ここでラリーをやりますよということで初めて視察に来たときに、コースがいきなり県道を使えることを知りました。正直、これまでラリーをやってきた経験から言うと、『えっ!こんなところでやらせてくれるの!?』って思いました。これは実はすごいことなんですね。県や市といった行政の協力とともに、地域住民の方も理解して協力してくれているというのがうれしいですね。地元の方から『どこで見られるの?』と聞いていただくことも多かったです。ここでWRCを来年見られるっていうのもすごいことですよね。」
楽しみ方はいろいろ。オフィシャルになるのもアリ?
サービスパーク内は、競技者やチーム移動車両、メカニック、オフィシャル、そして観客の皆さんが混在しています。そうした状況の中で、特に競技車両のサービス内の安全や導線を守るセーフティマーシャルを担当している仲恭一さんのおすすめ観戦法は?
仲恭一セーフティマーシャル
「お客様がラリーを観戦するうえでのポイントは、何カ所もあると思っています。クルマをじっくり見たければサービスパークですね。ドライバーさんが横にいるところで整備しているところをじっくりを見ることができます。クルマが格好良く走っているところが見たければSSの有料のポイントでご覧になるのがいいですね。あと、コースは事前に発表されていますから、リエゾン区間では、信号などで定点的に待ちながら車に手を振っている方もいらっしゃいますね。楽しみ方はいろいろありますので、色々やっていただいて、徐々に慣れていただくのがいいと思いますよ。
オフィシャルの良いところは、ドライバ―さんやコ・ドライバーさんやチームの方が僕らを認知してくれることでしょうか。『お前あのラリーにいただろ!』なんて言われることがあります。僕は大阪出身なんですが、北海道のラリーにオフィシャルとして何度も行っているので、『お前、大阪からよく来るな!』なんて声をかけてもらうこともありますが、違うんです(笑)。そんな風に覚えていただくと、こちらからもラリーでの状況を色々と聞きやすいですし、誰かが転倒したとかミスしたとか、それが原因でコースで渋滞が起きているなどといったラリーの状況が、本部よりもあらかじめ情報が入ってきて、結果的にラリー全体の対応が行いやすくなるということもありますね。」
(レポート:ガズー編集部、写真:水川尚由、小松ひろ、梅本まどか、ウェルパインモータースポーツ、ガズー編集部)
[ガズー編集部]
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