【ラリージャパンを1000倍楽しもう!】WRC2020年開幕戦モンテカルロラリー取材日記「モリコロパークで日本の勝利が絶対に見たい!」
2020年はWRCラリージャパン開催! ということで、開幕戦のモンテカルロラリーの現地から、特派員による取材道中と、サービスパークなどラリーファン目線の舞台裏を現場写真とともにお伝えします。
DAY1/モンテカルロの空気にすっかりのまれる
地中海に面するモンテカルロはフランス南部の地中海沿いにある独立国です。南仏の観光都市ニースから東へ約20km。モナコのホテルは非常にコストがかかるということで、取材班はそのニースに投宿しました。
初日、ニースからモナコまでは鉄道を利用しました。片道4.1ユーロ(約500円弱)。コートダジュールの美しい景色を右手に見ながら、30分弱の電車の旅です。
- フランス国鉄のニース駅。
- 列車にはそれぞれ紋様が描かれていておしゃれです。モナコ モンテカルロ駅にて。
- ボー・リバージュを駆け上がる。
- 美しい港を見下ろす。ゴージャスなクルーザーが何艘も停泊しています。
- ここがF1だと最終コーナー?と二度見してしまうほどのタイトさ。
WRCの取材に来たはずなのですが……大変申し訳ありません。モンテカルロ駅を出て坂道を下ってその景色を目にした瞬間、すっかりF1モードになってしまいました。ボー・リバージュ!そこから見る海は、まさにボー・リバージュ!(フランス語で「美しい浜辺」という意味)F1で言う最終コーナーのラスカス! ここには、レストラン『ラ・ラスカス』がありました。
不覚にも興奮しすぎてラリーのことを忘れそうになってしまいました。ということで、F1でいうところのホームストレート方面に戻ります。するとそこではセレモニアルスタート会場の装飾作業の真っ最中でした。
モンテカルロラリーのラリーボードが描かれたセレモニアルゲートが午前中の日の光に当たって神々しく輝いています。
WRCのバナーとともに、地元モンテカルロのラリー主催者であるモナコ自動車クラブ「Automobile Club de Monaco(ACM)」のバナーもかっこいいですね。
次にメディアセンターに向かいます。ウェルカムデスクの雰囲気も最高です。背景にはイメージイラストが大きくペイントされています。このクルマはシトロエンでしょうか。フロントグリルにシトロエンのエンブレム「ダブルシェブロン」が描かれているようなないような微妙なラインです。
これはおそらく、2019年11月にシトロエンがWRCからの撤退を突然発表するまでは、地元フランスということでシトロエンをメインとしたビジュアルが描かれていたのではないかと推測します。イラストレーターさんと主催者さんの苦悩を感じざるを得ません。
レストラン『ラ・ラスカス』の中では、木曜日の夕方から2020シーズンのオープニングセレモニーが行われました。各ワークスチームが紹介されるなか、我らが勝田貴元選手もGAZOO Racingのドライバーとして紹介されました。流暢な英語でのスピーチを披露。誇らしい光景でした。
そうこうしているうちにセレモニアルスタートが始まりました。スタートゲート手前には、多くのラリーカーがその出番を待ち構えています。勝田選手もスタート前の準備で忙しそうでしたが、GAZOO.com取材班を見つけると、わざわざマシンから出てきてサムアップしてくれました! 勝田選手、ありがとうございます!
DAY2&DAY3/サービスパークは約300km離れた内陸の町「GAP(ギャップ)」
- フランスのしゃれた田舎道によく似合うNDロードスター。
- クルマが1台落ちてしまったそうです。安全第一です。
- 土曜日はこの道が大渋滞していました。
木曜夕方にモンテカルロでセレモニアルスタートを行った選手たちは、そのまま北上し、スペシャルステージを2本こなしながら、はるばる約300㎞離れたギャップという内陸部の街にあるサービスパークまで自走で戻ります。初日から大変です。
そもそもギャップからモンテカルロまで300km走ってセレモニアルスタートを行い、再び300km帰りながらSSを2本こなすのです。選手の集中力には頭が下がります。
特派員も彼らを追いかけてギャップに向かいます。(と言っても翌朝移動でしたが・・・)
フランスの田舎道をひたすら走ります。道中、初老の紳士が運転するマツダ・ロードスターに出会ったりすると、とてもうれしい気持ちになりました。
山道では突然の通行止め。事故処理中とのこと。ロスタイム約20分。これもラリーです。
そんなこんなで4時間以上走り、ようやくギャップの市街地に入ったようです。WRCのバナーを目にした瞬間、目が覚めました。
- GAZOO Racingのサービス。左の三角屋根が勝田貴元選手のテントです。
- フォードMスポーツのサービス。
- ヒュンダイは2階建ての雄大なサービスです。ゲストは2階に上がって作業風景を見学することができる様子でした。
サービスパークに入ります。やはり目立つのは、各ワークスのサービステントです。フォードMスポーツ、ヒュンダイとならび、我らがGAZOO Racingもひときわ目立っています。
70mほどの長さのレギュラードライバー3台分のサービスに続き、GAZOO Racingには白い三角屋根のテントが1張り追加されています。これが勝田貴元選手のための作業エリアです。
- 「ALLEZ SEB」とは、フランス語で「セブ(セバスチャン・オジェ)頑張れ」との意味。
2019年のドライバーズチャンピオンであるオィット・タナック選手がGAZOO Racingからヒュンダイに電撃移籍したこともあってか、ヒュンダイチームにはなかなかの人だかりでした。
一方、2020年よりGAZOO Racingに新加入したフランス人ドライバーの“レジェンド”セバスチャン・オジェ選手の人気はナンバーワンでした。小さな子供もボードを掲げて応援しています。オジェ選手はSSを終えてサービスに帰還し、おそらく相当疲れているなかでも非常に丁寧に、そして笑顔でファン対応している姿が印象的でした。
- サービスパーク内で営業中の露店。
- のどかなSS観戦ポイント。
ギャップのサービスパークは、モンテカルロと違ってローカル色が強く、親しみやすい雰囲気でした。サービスパークでラリーを楽しんでいたのはほとんど地元ギャップ市民の皆さんのように見受けられました。フードエリアで鶏の丸焼きやソーセージを買って、ワインやビール片手にWRCのパブリックビューイングをわいわい楽しんでいました。
山間部のSS観戦ポイントでは、テントを張ってラリーカーの登場を待ち構える集団があちこちに。写真に写っているのは三菱・トライトンのオーナークラブでしょうか。フランスの山奥でトライトンの集団に出会うという稀有な経験をさせていただきました。
DAY4/再びクルマでモンテカルロへ。セレモニアルゴールで悔しさ100倍
- 地中海沿いの道をモンテカルロに向かってひたすら走る。
DAY3まで1-2体制を維持するGAZOO Racing。セバスチャン・オジェ選手が勝つのか、エルフィン・エバンス選手が勝つのか!? これはセレモニアルゴールで良い写真が撮れるぞ!と息巻いて、再び300㎞の道のりをモンテカルロまで走ります。単調な内陸部を走り終え、海岸線を東へと向かいます。高速を降りて一般道を走ってみると、左手には見たこともないような地質の崖がそびえます。
- なにもかもがカッコよく見えてしまうモンテカルロの地下駐車場。
モンテカルロに到着してレンタカーを地下駐車場に置き、出口へと急ぎます。さすがモナコ。高級車がたくさん停まっています。当然フェラーリも。ナンバープレートは他のEU諸国ナンバーと違い、小さくてシンプルなデザインです。
- 国歌演奏は王室の音楽隊による生演奏でした。
- 実はシャンパンの中身が入っていたのですが…。自重させていただきました。
道中300km。GAZOO Racingの1-2フィニッシュを信じてひた走っていたのですが、ウェブサイトのリアルタイム情報でリザルトをチェックしていると、SS14でヒュンダイのヌービル選手がGAZOO Racingのエバンス選手を逆転して4秒リードしたとの一報が入りました。SS15ではその差が11秒に開きました。オジェ選手はそこから1.5秒差で続きます。
そして運命の最終SS。オジェ選手がエバンス選手を抜いて2位に浮上しましたが、ヌービル選手はオジェ選手と同タイムを刻み、見事2020年開幕戦モンテカルロラリーを制しました。
ギリギリでセレモニアルゴールゲート正面のプレスエリアに潜り込むと、すぐに国歌の演奏が始まりました。王室の音楽隊による生演奏です。モナコ国歌に続き、韓国国歌が流れ、各国国旗が掲揚されました。
ちなみにシャンパンファイトで使用していた銘柄は、日本でもおなじみの高級シャンパン「ヴーヴ・クリコ」でした。
取材を終え、何とも言えぬ寂しさ、喪失感、そして悔しさを車内で共有しながら、最終の宿泊地へと戻ることにしました。そんな気持ちがあったからというわけでもないのですが、レンタカーで無駄にF1コースをグルグル回ってしまったのはここだけの話です。トンネルで気持ちを再び上げて、ニースへとステアリングを切りました。
今回、たまたまモンテカルロがF1市街地コースだったということで、F1とWRCの雰囲気を堪能してしまいましたが、そもそもF1と違って公道を使って広範囲に移動し、公道でタイムアタックを行うラリー。
パーマネントコースでのレースとは違い、訪れたその土地土地をラリー期間中に移動しながら、それぞれの土地の空気・食べ物・人に出会うことができるのも魅力なのだと思います。WRCは異国ということで当然そうした情緒を感じられますが、例えば全日本ラリーでも、その競技やクルマの迫力とともに、日本各地の情緒や名産などを堪能できるのではないかと思います。
GAZOO.comでは、そんなラリーの魅力を今後もお伝えできたらと思っています。
次回の写真日記もぜひご期待ください。
[ガズー編集部]
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