新型シエンタの新旧比較 新型は至るところが正常進化していた

2022年8月23日、3代目の新型シエンタが発表されました。シエンタは、2003年のデビューから主にファミリー層に支持されてきたコンパクトミニバンです。新型は従来以上に優しいクルマとなり、心強いパートナーへ正常進化しました。その進化した部分についてわかりやすく旧型と比較しながら紐解いていきます。

1.見た目は、よりやさしくなった

エクステリア

(フロントからサイドビュー)
旧型シエンタは、スタイリッシュでかっこいいイメージ。特に、ヘッドランプからフォグランプ・グリルへとつながるバンパーガーニッシュは特徴的で、バンパーコーナーが強調されており、ワイド&ローのスタンスを強調している。
新型シエンタは、欧州車風のかわいいクルマだ。ベルトラインが水平であり、四角い箱をイメージさせる。また、コーナー部が丸くなっている。サイドの特徴は、大きなサイドプロテクションモールだ。

(リアビュー)

旧型シエンタは、後方を絞り、コーナーを張り出させている。リヤコンビランプとバンパープロテクターが融合したバンパーガーニッシュが特徴的で、独特の雰囲気であった。
新型シエンタは、リヤコンビランプの形状に特徴がある。テールランプはコの字に光り、ストップランプはドット調に光る。形状は絞り込まず、四角い形状で、バックドアは平面的になっている。

インテリア

2.サイズは維持、燃費は向上

新型シエンタは全長、全幅は旧型と同じで、全高は20mm高くなっている。ボディーサイズは、ほぼ同じと言ってよいでしょう。室内は広くなっている。そしてエンジンは、ヤリスと同じ最新のとても扱やすいパワートレーンになりました。また、燃費は向上しつつ、出力も向上している。

新型シエンタ(3代目) 2代目シエンタ(2021/6)
定員 5、7人 5、6、7人
車両重量 1280~1370kg 1320―1380kg
最小回転半径 5.0m 5.2m
燃費(WLTC) 18.3~28.8km/L 14.0~22.8 km/L
全長 4260mm 4260mm
全幅 1695mm
全高 1695mm 1675mm
ホイールベース 2750mm
室内長 2030~2545mm 1900~2535mm
室内幅 1530mm 1470~1490mm
室内高 1300mm 1280mm
排気量 1490cc 1496cc
最大出力 88kw(120ps)/6600rpm 80kw(109ps)/6000rpm
最大トルク 145Nm(14.8kgf/m)/4800-5200rpm 136Nm(13.9kgf/m)/4400rpm
燃料タンク容量 40L 42L

※ガソリン2WD

3.実用性は大きく向上

新型シエンタは、最新の機能や、各所への工夫により乗降性、居住性が大きく向上している。

スライドドアの機能

旧型シエンタもワンタッチスイッチ付スライドドアの設定はありましたが、新型は、最近流行りのハンズフリー機能が追加されている。

新型シエンタ(3代目) 旧型シエンタ(2代目)
ハンズフリーデユアル Z、G(オプション)
デユアル G G
助手席側 X X

ハンズフリー機能とは、スマートキーを携帯した状態でフロントドアハンドル下側の床下奥のセンサー部に足を出し入れすることによって、スライドドアが開閉する機能。

スライドドア乗降性能

開口高さが6cm大きくなっている。この6cmで、頭を少し下げて乗降するかしないかの差がうまれるそうだ。

新型シエンタ(3代目) 旧型シエンタ(2代目)
開口高さ 1200mm 1140mm
開口部幅 670mm
乗り込み高さ 330mm

居住性

ボディーサイズは変更なく、室内が広くなっている。特に、2列目の前後の間隔は、なんとミニバンのノア/ヴォクシーの2列目の標準とする長さと同じ。お子さまのお世話もらくらくだし、2列目の足元には、お買い物かごをスポッと置くことも可能になっている。

新型シエンタ(3代目) 旧型シエンタ(2代目)
室内高さ 1300mm 1280mm
前後カップルディスタンス 1000mm 920mm
2列目上側方ヘッドクリアランス 新型は+60mm

※1列目と2列目のヒップポイントの距離

シートアレンジ

シートアレンジのパターンは増えてはいません。しかし、2列目、3列を倒すフラット化が、より簡単に、よりフラットになっている。2列目シートが約60mm低くたため、2列をたたんだ時に後方に発生する隙間に、フラップボードを追加している。

新型シエンタ(3代目) 旧型シエンタ(2代目)
3列目シート格納つまみ シート腰部分 シート肩部分
フラップボード
フラットシート 新型の方がよりフラット
3列目シート重さ 新型の方が700g軽量

実用的な収納性

旧型シエンタも便利で使いやすい収納スペースは確保されていたが、もっと実用的な収納スペースに進化している。例えば、フロントドアポケットに1Lのペットボタルが収納可能に、カップホルダーに四角いパックのケースも収納可能になっている。

新型シエンタ(3代目) 旧型シエンタ(2代目)
前席カップホルダー 四角いパック搭載可能 丸いケースのみ
運転席アッパーボックス
フロントドアポケット 運転席 1L×1本
助手席1L×1本、500mm×2本
500mm×1本

スマホ関係

旧型シエンタもスマホに対する心遣いはありました、新型シエンタは室内でのスマホ利用が前提となっている。

新型シエンタ(3代目) 旧型シエンタ(2代目)
スマホポケット 運転席シートバック
充電用USB端子(後席) Type-C×2 
充電用USB端子(前席) Type-C×1

※グレードによって設定が異なります

  • 運転席シートバックのUSB電源、TypeC×2個

    運転席シートバックのUSB電源、TypeC×2個

便利なメーカーオプション

新型シエンタ(3代目) 旧型シエンタ(2代目)
メーカーオプションの
ドライブレコーダー
天井サーキュレーター メーカーオプション
ステアリングヒーター メーカーオプション

(ドライブレコーダー)
新型シエンタでは前後方録画をライン装着のメーカーオプション。トヨタセーフィティセンスのカメラと後方の専用カメラで撮影可能になっており、SDが不要になるため、SDの故障を回避可能だ。

(天井サーキュレーター)
天井に取り付けられたサーキュレーターで、後席への送風を可能にする。空気を効率的に循環させて、冷たい空気や温かい空気の偏りを解消する。風速と風向きを調整できるのも嬉しいポイントだ。

(ステアリングヒーター)
高級車に装着されているイメージのステアリングヒーターが新型シエンタに設定されている。

4.安全装備は標準装備

旧型シエンタのも、プリクラッシュセーフティシステムが設定されている(一部オプション)が、機能が限定的だ。一方新型になると、トヨタ最新のシステムが搭載されており、夜でも歩行者などを検知できるようになっている。他にも、様々な安全装備が盛り込まれている。

新型シエンタ(3代目) 旧型シエンタ(2代目)
プリクラッシュセーフティー 標準装備
歩行者・自転車(昼夜)
標準/メーカーOP
歩行者(昼)
レーントレーシングアシスト 標準装備
レーダークルーズコントロール 標準装備
ロードサインアシスト 標準装備
ドライバー異常対応アシスト 標準装備
プロアクティブドライビングアシスト 標準装備
トヨタチームメイト メーカーオプション

※一部グレード

(プリクラッシュセーフティー)
歩行者、自転車であれば昼夜を問わず、2輪であれば昼間に検知可能で、特に「交差点」右左折時の対向直進車両と横断歩道上の歩行者も検知できる。ブザーと表示で衝突の可能性をお知らせすると同時に、プリクラッシュブレーキを作動する。

(プロアクティブドライビングアシスト)
「歩行者の横断」「飛び出してくるかもしれない」など、運転の状況に応じたリスクの先読みを行い、歩行者や自転車、駐車車両に近づきすぎないよう、ドライバーのステアリング・ブレーキ操作をサポートする。

(トヨタチームメイト アドバンスト パーク)
駐車を苦手に感じている方に嬉しい機能が、このアドバンスト パーク機能。並列駐車においては従来のバック駐車に加え、前向き駐車、バック・前向き出庫が可能になりました。「ステアリング、アクセル、ブレーキ、シフト」の全操作を高度運転支援で行うため、安心して停められる。

5.運転のしやすさ

新型シエンタはとても運転のしやすい、操安性の高いクルマに生まれ変わっている。それはGA-Bプラットフォームの影響が大きい。ヤリスと同じタイプであるが、リヤについてはシエンタ専用に設計されている。また取り回しの良さを考慮したデザインになっているのも特徴だ。

新型シエンタ(3代目) 旧型シエンタ(2代目)
TNGA(新プラットフォーム) GA-Bプラットフォーム
最小回転半径 5.0m 5.2m
不快な振動抑制の工夫 高減衰タイプの材料使用
高さがあるウィンドウ
取り回しの良さ シカクマルシルエット

(TNGA新プラットフォーム)
このプラットフォームで「走る・曲がる・止まる」というクルマの基本性能を飛躍的に向上させている。

(最小回転半径)
旧型と全長・全幅は同じですが、旧型よりも最小回転半径が20センチ小さくなった。

(視認性向上の工夫)
ボンネット部分の両端を上げたことによって、存在感を増すデザイン性もありながら、運転席からの視認性が上がっている。

6.価格は高くなった?

グレード体系が変わっているので比較することは難しいが、パット見では高くなっている。新旧のグレードを左右で掲載してみると、比較して良いのか怪しいグレードもある。赤字のグレードは同じなので、金額差を確認すると、13万~23万円ぐらい新型の方が高くなっている。安全装備が標準になったことが大きな要因だと思われるため、追加になった装備を考えると意外とお得なのかもしれない

新型シエンタ 旧型シエンタ
ハイブリッドZ FF 7名 ¥2,910,000
ハイブリッドZ FF 5名 ¥2,870,000
ハイブリッドG FF 7名 ¥2,690,000 ハイブリッドG FF 7名 ¥2,473,000
ハイブリッドG FF 5名 ¥2,650,000 ハイブリッド ファンベースG FF 5名 ¥2,432,000
ハイブリッドX FF 7名 ¥2,420,000 ハイブリッドX FF 7名 ¥2,277,200
ハイブリッドX FF 5名 ¥2,380,000 ハイブリッド ファンベースX FF 5名 ¥2,236,500
ハイブリッドZ 4WD 7名 ¥3,108,000
ハイブリッドZ 4WD 5名 ¥3,068,000
ハイブリッドG 4WD 7名 ¥2,888,000
ハイブリッドG 4WD 5名 ¥2,848,000
ハイブリッドX 4WD 7名 ¥2,618,000
ハイブリッドX 4WD 5名 ¥2,578,000
FF 7名 ¥2,560,000
FF 5名 ¥2,520,000
FF 7名 ¥2,340,000 FF 7名 ¥2,107,000
FF 5名 ¥2,300,000 ファンベースG FF 5名 ¥2,066,000
FF 7名 ¥1,990,000 FF 7名 ¥1,859,200
FF 5名 ¥1,950,000 ファンベースX FF 5名 ¥1,818,500

※左右の比較が適切かは読者様が判断ください

(GAZOO編集部)