VICSにプローブ情報を追加する実証実験を全国へ拡大
2022年7月4日(月)一般財団法人 道路交通情報通信システムセンター(理事長 山本圭司)は、トヨタ、日産、ホンダ、パイオニアが独自で集めたプローブ情報を活用したVICS情報の提供を全国へ拡大すると発表した。常務理事の本郷俊昭によると、今回の取り組みにより2倍の情報量(75,767km→167,784km)を提供することが可能になるという。
今までも、トヨタ、日産、ホンダ、パイオニアと連携し2020年4月より1都6県(神奈川、埼玉、千葉、栃木、茨木、群馬)、2022年4月より札幌エリア、愛知、大阪府で実証実験を行ってきている。実証実験から、渋滞回避とスムーズな交通が実現することがわかっているそうだ。そのため、この取り組みは、渋滞による経済的損失とCO2の削減につながるということだ。ちなみに、国土交通省の試算によると、渋滞による年間損失は12兆円、渋滞損失時間は40時間/100時間だそうだ。
そもそも、VICSは道路に設置されている感知器より収取した情報をもとに道路情報を把握しているため、感知器がない道路の情報を把握することができなかった。一方、各メーカーは、自動車側から発信されるプローブ情報(位置、速度、通貨時刻など)を収集しているため、道路に関係なく混雑情報を把握することが可能である。各メーカーが収集する仕組みをつくり上げてきたプローブ情報と受信器の情報を束ね、ビッグデータとするということであり、協調領域であると、常務理事の本郷俊昭は協調した。
今回の取り組みにより、VICSは日本全体の道路を対象に混雑情報を提供すうることができるようになる。VICS WIDEに対応しているナビであれば、設定もなしで受信してナビに表示させるため、殆どのドライバーは気づかずに、恩恵を得ることができるようになる。
なお、受信器が設置されている道路についはては、従来と同じく受信器の情報で混雑状況を把握する。しかし、停電時など受信器から情報が取得できない場合は、プローブ情報を利用するということだ。
先日のauの通信障害により、トヨタ車はプローブ情報を送信できることができなかった。しかし、各メーカーが利用しているキャリアが異なるため、VICSセンターは十分なプローブ情報を取得できていたそうだ。
左が受信器だけによる道路状況、右はプローブ情報を追加した道路状況。右のが多くの道路状況を図示できている
(GAZOO編集部 岡本)
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