TBS安東弘樹アナウンサー クルマ好き有名人紹介 第4回

渋滞だろうが長距離だろうが、運転は楽しいと豪語する安東アナ。わたしも運転は好きで、どこまででも行きたい衝動に駆られますが、前回の宮崎往復3,000キロは、無いわ~(笑)。気持ちは行きたいですけどね。アンディの楽しいドライブのお話と、どうしても伝えたいサーキット走行のススメを少々。どうぞ!

―――――で?お次は、どちらでまで行かれましたか?

安東:「北海道です。90年代の後半に、ガソリンスタンドのCMで、北海道のオロロンラインという場所が放映されていたのです。いつかそこに行ってみたい!と思っていて、1998年に行きましたね。北海道の日本海側の石狩市から稚内市まで続く道なのですが、北上して行くと左側は日本海、右側には湿地が続くんですよね」

―――――単純に、CMを見て行ったのですか?

安東:「はい! CMのスーパーに“オロロンライン”と出るんですよね。それでずっと行きたいと思っていました」

―――――北海道ドライブ、王道ですねえ~

安東:「当時、“情報もぎたてサラダ”という番組を担当していて、タンクトップを着て“アンディの“もぎたてエクササイズ”というコーナーなんかも持っていた、基本“筋肉”だった時代に(笑)、16時にオンエアーを終えてから青森へ向かいました。23時のフェリーに乗らないと北海道へ渡れないので…。番組終了後の反省会をお願いしてパスさせていただき向かいました。クルマを運転して一人で北海道へ行くと番組スタッフやキャストに言って出て行ったのですが、僕が出た後、一人なんてあり得ないよね?どうせ女性と一緒なんだろうと言っていたそうです。

―――――わたしも、おひとりじゃないと思った口ですが…。

安東:「この北海道へのドライブは、完全に一人旅だったんですよ。それを証明?しようと思って、当時写メなど送れませんでしたので、青森に着いてから会社に電話を入れ、青森のフェリー乗り場のアナウンスの声などを聴いてもらいました。“今度はホントに一人なの?”“一人なんだって!ダサい!”とスタッフに笑われていたそうです…。

当時発売されたばかりであまり知られていなかったポルシェの新型車の、ボクスターに乗っていたのですが、横浜ナンバーだった僕のクルマを見て、地元道内ナンバーのクルマから降りてきた上品な御婦人が、「あの新しいポルシェは、3000万円位するんでしょう。横浜の人はお金持ちねえ」と、横浜でくくられたのを覚えています(笑)。実際、値段は6分の1、しかも60回ローンでした。でも、クルマって人を惹きつけるんだなあと思いました」

―――――北海道と言ったら、「食」ですよね~

安東:「その旅は、オロロンラインを走るのが目的でしたから、北海道まで行ったのに、いくら、カニなどの海の幸をほとんど食べないで帰りました(笑)。リーズナブルな旅で、ユースホステルなどに滞在しました。北海道で食べたものでは、お腹が空いた時にたまたま寄ったお店でしたが、生姜焼き定食が美味しかったです。美瑛でもユースホステルにも滞在しましたね。頭に、タオルを巻いて運転していたので、額の日焼けあとがすごかったです。この写真のワイルドなスタイルなのが僕です。いわゆるガテン系の雰囲気ですよね(笑)。長距離で言えば、3年前に、新潟からトイレも行かず完全にノンストップで帰って来たこともありましたね」

―――――新潟ですか?いったい何をしにいっていらしたのですか?

安東:「新潟の十日町周辺で“大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ”というイベントが定期的に行われているの、ですが、そのアートの世界を見たかったんです。ここは、さすが米どころ。普通の定食屋さんのごはんが美味しかったこと美味しかったこと」

―――――今度はちゃんと食べたんですね(笑)

安東:「目を見張るほど美味しいんですよね。東京にもコシヒカリは沢山ありますが、段違いに美味しいかったです。ふっくらつやつや、粒が立っていて、究極のお米がどこに行っても食べられるんですよね~(笑)。聞けば同じコシヒカリでも、新潟の水で炊くと、更に美味しいんだそうです、納得しました」

―――――あとは、帰りの運転が楽しみと…

安東:「はい。基本すべてに共通するのが、クルマを“降りたくない”という気持ちです。クルマを降りて、ホテルに到着したときの絶望感たるや…。今日は、もうこれで運転は終わりかと…。クルマには、明日乗るからねと声をかけてしまう感じですね。この時は、新潟を出発してからあまりに運転が気持ち良すぎて、クルマと一体になってしまい、自分だけが高速道路を滑走している様な感覚、トランス状態とでも言うのでしょうか、本当に気付いたら千葉の自宅へ戻っていました。その時も、自宅の駐車場で降りたくないと思いましたね。夕暮れ時の首都高6号線のスカイツリーの近辺は、本当にキレイでした」

―――――ご家族とご一緒のドライブは?

安東:「家族を連れての長距離は、鈴鹿サーキットですね。2011年の9月のフォーミュラ・ニッポン(第5戦)に行きました。台風で、全部キャンセルになったあのレースです。当時毎週日曜日に担当していた番組が、マラソンで放送が無かったので、生まれて初めてのモータースポーツ観戦になるはずでした、何も見られませんでしたが…」

―――――生まれて初めて?ですか?

安東:「これまで、学生時代は体育会に所属していたので、土日は練習か試合、社会人になって生活が安定したと思ったら、20年間土日の番組の担当になり、モータースポーツ観戦の機会がなかったんです。この時、レースが観られるのは、まさに千載一遇のチャンスでした。でも、雨で予選キャンセル、決勝もすべてキャンセル。子どものために、表情を変えないようにしていたのですが、妻には、あの時の僕の顔は忘れられないと言われます。子どもたちよりも悲しそうだったそうです。子どもたちに、“無いんだって、全部無いんだって”と半泣きで伝えましたね。台風の中、雨宿りしていた鈴鹿サーキットの遊園地のカフェから、駐車場まで歩いたら、家族全員ずぶ濡れ…。クルマで着替えてから帰路につきました。でも、鈴鹿から自宅までの約500キロの運転は楽しかったです。常に平日が休みでしたので、レースの時、週末の鈴鹿サーキットって、人がこんなに多いんだと驚きました」

―――――ところで、サーキットを走ったご経験は?
安東:「先導付きなら十数回。先導ナシでの走行は、5、6回くらいかな?走ったことがあります。日本にもドイツのニュルブルクリンクみたいなコースありませんかねえ? 入口でチケット買って、コースインっていう。サーキットライセンスが必要とか保安上仕方ないのはもちろんわかるんですけど、もっと気軽にサーキットで運転を楽しめる様になると良いと思いますね。今の日本では、お休みだからサーキットに行こう!とは、なかなかなりませんよね。マニアックな僕でさえ、あれこれ大変だと思うのに、フツーの方は、夢にも思いませんよ。ニュルブルクリンクでは、日本で貸靴、ボールを借りてやるボーリングよりも、サーキット走行が手軽に出来るそうです。日本もそうなるといいですね!」

―――――サーキット走行を推奨する理由は何でしょう?
安東:「日本では、クルマの限界を知らないで走っている方が多いと思うんです。高速道路で、速度違反して150キロ位、平気で出す人がいますが、そこから何かあってフルブレーキングをしたら、クルマの挙動がどうなるか知らない人がほとんどだと思いますし、こんなに怖いことはないと思います。免許を取ったら、全免許取得者に、サーキット走行を義務付けるくらいにして欲しいですね。楽しさも怖さも知らないでクルマを運転している人がほとんどだと思うので。官民をあげて、サーキットでクルマの動きを習得することの必要性を訴えて欲しいですね。それが結果的に、交通安全やクルマの購買意欲にも繋がって行くと思います」

4回に渡り、身の上トークにドライブトークを展開していただきました安東アナでしたが、いかがでしたか? クルマ好きは、かなり“神”レベルにディープ。今後もお仕事のご活躍とそのクルマ好きの変態ぶりが、非常に楽しみです! 人生をこのままクルマの運転で終わっても良いという安東アナ。たくさん楽しいお話をありがとうございました。

[ガズー編集部]