クルマ×花で広がる縁とは? ミルクフラワーズ淺井夫婦【クルマ好き紹介 】

「暮らしに潤いを与えたい」と話す花屋さん・ミルクフラワーズ。市内のディーラーが納車セレモニーで使う花も納品しているという、クルマと縁のある花屋さんです。こちらを経営する淺井さん夫妻は、仕事ではカングーとハイエース、プライベートではマセラティとアバルト・500を乗りこなすクルマ好き。彼らにとってのクルマとは何でしょうか。

クルマを通じて意気投合。クルマを持っているだけで様々な交流が生まれることがあります。移動手段だけでなく、クルマを通じて共鳴しあうことができる。人間同士がクルマを介してエモーショナルにつながることができる面に、魅力の本質があるように感じます。

静岡市でフラワーショップを経営する淺井友一(あさい・ともかず)・幸枝(さちえ)夫妻は、そういったクルマを通じた交流をうまく活用している人ではないでしょうか。クルマを使って販路を拡大させた面もありながらも、それ以上にクルマが人を呼び、かけがえのない人脈から新しい刺激を受けています。
取材の途中でもクルマ好きのお客様がユーノス・ロードスターで来店。クルマが好きな人は生活に上質さを求める人が多く、花のある暮らしにも理解があるのではないかと淺井さんは話す

静岡市葵区の本通りにある、駿府の古い街並みが残るエリア。広く安倍川に伸びる道沿いに、ミルクフラワーズさんはしゃれた店舗を構えています。現在開業から16年目。「生花から観葉植物など植物に関することはなんでも承っております」とのこと。地産地消も大切にしており、地元静岡の穏やかな気候に育まれた花や植物も少なくありません。鮮度のいい状態で届けられ、長持ちするものも多いそうです。

店内のショウケースの中には各地から取り寄せられた旬の花々がそろう。県内産のものも少なくない
店内に入ると、まるでヨーロッパのきれいな庭園に来たかのような気分に

お仕事用は3台目のカングー&ハイエース

お店の前で待っていると、ブラン・ミネラルのルノー・カングーが入ってきました。現行カングーは、実はこれで3台目とのこと。1台目は2010年の前期型。2台目は2014年の後期になってすぐのモデル。そして2016年になって3台目として、ターボとEDCが組み合わされたこのクルマに乗っているそうです。

「EDC付きのこのZENというグレードでは、市内で1台目の登録だったようです。とても気に入っています。今ではお店の顔にもなっていて、このクルマで配達先に伺うとお客様が気づいて出てきてくださるんですよ。ほかのクルマではなかなかないことだと思います」(友一さん)

大きな観葉植物や、枝物の植物もほぼ問題なく積むことが可能で、このクルマでも積めないときのためにハイエースも控えているのだそうです。

店先の雰囲気にもマッチし、配達先でもすぐにわかるカングー。もはやミルクフラワーズには欠かせない存在だ
カングーでもダメなときはトヨタ・ハイエースが控えている

しかしカングーを使うお花屋さんは、しばしば見かけることができます。こちらの夫妻はカングー以外のクルマにも特徴があるのです。

マセラティ&アバルト・500を操る夫婦

友一さんが普段主に使用しているのは、マセラティ・グラントゥーリズモ。そして奥様の幸枝さんはアバルト・500のマニュアルとのこと。これらのクルマはご自宅のマンションにあるとのことで、見せていただきました。

左から主に友一さんが乗っているマセラティ、奥様がメインのアバルト・500、そして大活躍のカングー。このいずれのクルマもTPOに合わせて公私ともに使われているのだという

一見おっとりした幸枝さんですが、なぜオートマではなくマニュアルに乗っているのでしょうか。

「オートマチックは何となく味気なくて、いつもマニュアルを選んでしまうのです。最初に乗ったクルマがスズキ・カプチーノのマニュアル車だったので、マニュアル車に対して大変と思ったことはありません。むしろ一体感というか、自分で運転している感じが好きですね。以前は、2006年のクーパー・セブンのマニュアルに乗っていました。そのあとミニ・クラブマンSでオートマチック車に乗ったのですが、やはりマニュアルが恋しくなり、前から気になっていたアバルトにしたんです」(幸枝さん)

取材中にも愛車の写真撮影に余念のない淺井夫妻。おふたりとも、クルマが心底好きなことがよくわかる。しかも盲目的にではなく、いい距離感で愛車と過ごしているなと感じた
トルクがあり実は乗りやすいというアバルトはマニュアルだ。オートマチックは味気ないと躊躇なく話してくださった幸枝さん。素直にカッコいい女性である

トルクフルで運転がしやすいというアバルトは、休日にストレス発散するための単なる遊具などではないそうです。

「このクルマで主人が営業先を回ることもあります。また私がカルチャースクール老人施設で講師をするときに、教材を難なく詰むことができる実用性の高さも気に入っています」(幸枝さん)

カングーもアバルトも、実はその高い実用性こそが、淺井夫妻の心をつかんだ部分でもある。時にはマセラティでも配達に行くことはあるそうで、かつてのモデルに比べたら格段に高い信頼性が魅力なのだとか。そして、最近ギブリから乗り換えてわかったことが、実はリセールバリューがかなり高いということ。昔からクルマ好きだった友一さんにとって新鮮な発見だったという

納車セレモニーの花も担当! クルマはブランディングツール

クルマへのこだわりが高いだけでなく、本業である花屋さんとクルマにもつながりを持っている点も彼らの魅力です。

「実は市内の輸入車ディーラーでは、納車セレモニーのとき、新しいオーナー様にお花をお渡ししています。そのときに使うお花をうちでご用意させていただいているのです。初めて営業に伺ったときに、こだわりを持ったクルマで伺ったからこそ、お話を聞いていただけたのではないかと思っています」(友一さん)

「クルマと花」というキーワードは、ディーラーさんだけでなく、個人のお客様とのつながりでも多いようです。

「クルマ好きのお客様は確かに多いように感じます。クルマにこだわる方の中には、生活に植物を取り入れるという“豊かさ”を大切にされる方が多いのかもしれません」(友一さん)

カングーは普段から基本後席はフラットになっている。そこに実際に植物を積んで見せてくれた

市内、県内だけでなく、遠くは愛知県まで配達に行ったこともあるそうです。

「クルマは仕事のためになくてはならない道具ではありますが、自分たちを表現し、演出するブランディングツールとしてもとても重要な存在なのです」(友一さん)

植物に囲まれていると自然と穏やかな気持ちになるから不思議だ

クルマ×花が仕事のやりがいに

「花を扱うと人生の節目に立ち会うことが少なくありません。そういうところに意義深さと感謝を感じます。しかもその都度クルマがそばにいてくれるというのは、私たちのようにクルマ好きの夫婦にとってはうれしいもの。公私ともにかけがえのないパートナーです。それにクルマに対するこだわりが、仕事のやりがいにもつながっている部分はあると思いますね」(友一さん)

現行カングーは3台目。装備、エンジン・トランスミッションの相性などようやく完成形に到達した印象があると淺井夫妻は話す

「花もクルマも暮らしに彩りと潤いを与えるもの」と語る淺井夫婦。最後に「ぜひ静岡にお越しの際はミルクフラワーズにお立ち寄りください」と話していました。

クルマ好きと話していると、自然とクルマ好きの輪が広がる。淺井さん夫婦はそんな喜びも分かち合える人たちだからこそ、仲間を紹介して、クルマ好きのお客様が多くなったのでしょう。

皆さんもぜひ静岡を訪れた際には、ミルクフラワーズを訪ねてみてはいかがでしょうか。花に囲まれた店内で、クルマ話に花が咲くかもしれませんね。

(中込健太郎+ノオト)

[ガズー編集部]