前方にも気を配るのがバックの達人(クルマの運転操作 みんなはどうしている?)
ひと昔前なら、目視とミラーでしかできなかった後退時の安全確認も、バックモニターの普及や、駐車位置を誘導してくれるパーキングアシスト機構のおかげで、ずいぶんやりやすくなりました。縦列駐車に手こずるシーンを見かけることも少なくなりましたね。
そうはいっても、自分のクルマがいま、どんな状況になっているのか? が把握できにくいのがバック。
車両感覚を見誤ってしまい、ちゃんと停めたつもりでも隣のクルマにすれすれになったり。
やたらと時間がかかりすぎたり。一方で涼しい顔して一発で車庫入れできるひとがいる…。みなさんは、どうしていますか?
後方8:前方2くらいの割合で、前方にも気を配る
バックだからといって後方だけを注意するのではなく、「意識」の配分に気を配っています。後方8:前方2くらいの割合で、車両前方や横も意識しています。
そうすることで、ステアリングを切りながらの車庫入れの場合にやってしまいがちな、うっかり前方をコツンと当ててしまうことなどを防いでいます。
目視する際の、上半身のひねり方とペダルの足の位置に注意する
ただでさえパニックによるヒヤリとする状況が起こりがちなバックですが、もうひとつ危険がひそんでいます。
それは、ペダルの踏み間違いです。
その原因は、人体の構造。上半身をひねりすぎると、足の位置がズレてしまうんですね。
そのため、わたしは後方を目視する際、目線とともに、自分の姿勢にも気をつけています。
そして、ペダル操作。AT車なら、クリープを上手に使って、ブレーキ操作だけでバックするようにしています。アクセルペダルに触れないことで、踏み間違いを避けることができるからです。
その際、かかと部分を浮かせず、しっかりとフロアに着けること。ここが安定した「支点」となるので、確実にペダル操作ができます。
- 大きく身体をひねりすぎると無意識のうちに足の位置がずれ、ペダルの踏み間違いにつながる危険があります
自分のクルマの「死角」を知る
クルマにはかならず「死角」が存在します。初めて乗るクルマでは、周囲の安全が確保できる場所でクルマを停め、友人などのパートナーにボディの周囲に立ってもらいます。その位置を変えてもらいながら、陰になって見えない部分はどこかを運転席から確認することで車両感覚が磨かれスムーズにバック駐車ができるのです。
ライター:畑澤 清志
【監修・解説者】
ドライビングエキスパート(トヨタの元テストドライバー)
滝本 良夫(たきもと・よしお)
約40年にわたりトヨタの運転技術指導員として活躍しながら、車両実験部でハイエース、ダイナ、コースターなどの商用車系開発の実験および商品監査に携わる。2014年に定年退社。
[ガズー編集部]
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