MT車の坂道発進どうしてる(クルマの運転操作、みんなはどうしている?)

MT車に乗っていると、初心者からベテランさんまでちょっぴり緊張するのが坂道発進。

「後続車が車間距離を狭めてきて、後方を確認すると大接近していた」
「パーキングブレーキを利用せずに発進しようとしたら、エンストしてしまった」
という方も多いのでは。

みなさんは、どうしていますか?

MT車の坂道発進は何年運転していても、好きにはなれないという人も多いでしょう。
AT限定免許のなかったころは、教習所で四苦八苦された経験をお持ちの方もいらっしゃると思います。

エンストを何度も経験してしまうと気持ちがあせってしまって運転動作が乱れがちですよね。とくに後続車がいる場合は、どうしてもプレッシャーになってしまいます。

私のやり方は、最初に少しアクセルを踏んで回転を上げます。1,000回転から上限2,000回転を目安に回転を上げたら、クラッチを踏む足の裏に意識を集中し「あ、つながったな」と感じたらゆっくりとクラッチペダルを戻します。
(もちろん、急な勾配な坂道の場合は2,000回転以上にあげることもあります。)
そしてクルマが動きだしたら、掛けていたパーキングブレーキをスッと戻します。
そうすれば、スムーズな坂道発進が可能です。

パーキングブレーキを利用することを教習所で勉強した方も多いでしょう。しかし、パーキングブレーキはあくまで後ずさり防止の役割。アクセルとクラッチ、ふたつのペダルを上手に連携させることです。

ペダル操作がうまくいかない方は、安全が確保できる広場などで練習し、どこまでクラッチを戻したらエンストするか、クラッチがつながりクルマが発進しようとするポイントの感覚はどこかなど事前に覚えておくとよいと思います。

同じMT車でも、ディーゼルエンジン搭載車のように低速トルクのあるクルマは、低回転域でも前へ進もうとするチカラが強いのでエンストはしにくい傾向があります。その他、車重によって操作性に影響がでたりすることもあるので、自分のクルマの特性を理解して運転することが大切です。

ライター:畑澤 清志

【監修・解説者】

ドライビングエキスパート(トヨタの元テストドライバー)
滝本 良夫(たきもと・よしお)
約40年にわたりトヨタの運転技術指導員として活躍しながら、車両実験部でハイエース、ダイナ、コースターなどの商用車系開発の実験および商品監査に携わる。2014年に定年退社。

[ガズー編集部]

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