MT車渋滞時の操作どうしている?(クルマの運転操作、みんなはどうしている?)

渋滞に遭遇したなら、アクセル、ブレーキ、クラッチと3つのペダルを順序よく確実に操作する必要があるMT車。AT車に比べるとどうしても操作が面倒と感じられがちです。

「渋滞の停止時は、ニュートラルに入れてパーキングブレーキをひいて待っている」
「ノロノロ運転のときは、1速に入れたままクラッチを切ったりつないだりして走行する」

という方もいらっしゃるのでは。
みなさんは、どうしていますか?

進んでは停まり、また進むを不規則に繰り返す交通渋滞。クリープ機能のあるAT車に比べ、ドライバーの操作によるところの大きいMT車の発進・加速・停止にまつわる操作は、その手数の多さから面倒だと思われがちです。しかし、コツさえ覚えてしまえば、そう面倒ではありません。

私が励行しているのは「アイドル発進」です。渋滞がわずかに動きだしたなら、クラッチペダルを踏みシフトを1速に入れ、ゆっくりとクラッチペダルを離していきます。このときアクセルペダルは踏みません。すると、クラッチがつながるタイミングを経ても、エンストすることなくクルマがスッと前に進みます。アイドリングのエンジン回転数だけでも、クルマは前に進むことができるのです。
ギヤ比や低速トルクにもよりますが、時速10kmくらいまでは1速のままでもカバーしてくれるクルマもあります。ただ、それ以上の速度域でアクセルを踏んで流れに合わせようとすると、1速のままだとどうしてもギクシャクした走行になりがちです。私は、すみやかに2速にシフトしスムーズに走ることで、流れを邪魔しないよう気をつけています。速度を落としたいときは、クラッチを踏みブレーキペダルを踏みます。その後ゆるやかに流れるようなら再度クラッチペダルを離しアイドル発進をします。さらに強めに加速したいときは、クラッチを離した状態からアクセルペダルを踏むとギクシャクしてしまうので、いったんクラッチを踏み、ふたたびクラッチを離しながらゆっくりとアクセルを踏むようにしています。

渋滞時のMT車の操作にいえることは、できるだけクラッチペダルを踏む左足に負担をかけないことです。疲労がたまるとどうしても操作が雑になり、急発進など思わぬ事故を誘発することにもつながるからです。私は、停止時間が長い渋滞のときはクラッチを離し、ニュートラルにして待機しています。

また、いい感じに流れだしたとしても、前車との車間が近すぎると頻繁にブレーキペダルを踏むことになります。そうすると、後続の車両もそれにつられてブレーキをかけることにつながります。そのまた後続車両へとそれが伝わっていくと、渋滞をさらにこじらせてしまう要因にもなります。逆に、単調なストップ&ゴーが続くなかでついボーっとしてしまい必要以上に車間が空いてしまうこともあります。これは後続車にとってはイライラの元。私は、どんな環境でも運転中は緊張感を保つようにし、イライラが伝染しないように心がけています。

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ライター:畑澤 清志

【監修・解説者】

ドライビングエキスパート(トヨタの元テストドライバー)
滝本 良夫(たきもと・よしお)
約40年にわたりトヨタの運転技術指導員として活躍しながら、車両実験部でハイエース、ダイナ、コースターなどの商用車系開発の実験および商品監査に携わる。2014年に定年退社。

[ガズー編集部]