運転前にイライラしている時、どうしてる?(クルマの運転操作、みんなはどうしている?)
刻々と変わる道路状況と混合交通。一般の路上走行では、ドライバーは気づかぬうちにストレスを受けています。運転中ですらそうですから、運転前の「心の整え方」はもっと大事です。いらだちを引きずったまま、運転席に座ることのないようにしましょう。
「大きく深呼吸してから運転席に乗り込む」
「ガムを噛んでから乗る」
という方もいらっしゃるのでは。
みなさんは、どうしていますか?
毎回ステアリングを握るたび、いつも同じ平常心で運転できればいいのですが、社会生活を営んでいる以上なかなかそうもいきません。夫婦喧嘩からカリカリした興奮状態のまま出勤したり、勤務中に嫌なことがありそれを引きずって運転したりすることもあるでしょう。
大きな事故を起こしてしまう背景には、こうした「イライラ」などのストレスが遠因となっているケースが多くあります。ふつうの心理状態ではないときに運転するのは、正常な判断ができなくなり危険です。気持ちが焦ることで、速度超過や一時停止をおこたってしまうなど、ふだんではやらないようなミスをおかしてしまうことがあります。自分の運転だけではなく、他車への攻撃性も増すことがあります。ふつうに走っている他車がノロノロ運転に感じることや、無理な追い越しや急な割り込み、車間距離を詰めるなどの迷惑行為をしてしまうこともあります。
私でもときどき、嫌な気分のままクルマを運転しそうになるときがあります。そんなときは運転前にステアリングを握りながらに「よし!」と大きな声を出して気分を切り換えるようにしています。いくらイライラしているといっても、人生の長さから考えるとそんな時間はほんのわずかです。そんな一瞬の感情に誘発されて事故を起こしてしまうのは、ほんとうにもったいないことです。すばやく気持ちを切り換えて、すっきりした気分で運転するようにしましょう。
手軽に気分転換できるのが深呼吸です。意識をおへそのあたりに集中させながら、鼻からゆっくりと空気を吸い、肺いっぱいにたまったならこんどは口からゆっくりと細い息を吐いていきます。首筋のストレッチ運動や掌のツボへのマッサージと組み合わせると効果が高いようです。
運転前にコーヒーやお茶を飲んでリラックスするのもいいでしょう。ただ、利尿作用もあるので過度な摂取はまた別のストレスを生むかもしれません。ガムを噛むのも運転への集中力が高まるともいわれています。車内で好きな音楽をかけるなど、スポーツ選手が行うルーティンではないですが、皆さんそれぞれのイライラを延長させない工夫を探してみるのもいいですね。
最近では「アンガーマネジメント」といって、怒りをセルフコントロールする術も流行っているようですね。それによると「怒りのピークは6秒」だそうです。6秒間だけ我慢すれば、気持ちを落ち着かせることができるということです。
また、寝不足や疲れ、空腹などもイライラを招くシグナルです。待合せの時間に遅れそうなときもプレッシャーから運転が荒くなりがちです。時間に余裕を持つことも大事ですね。
ライター:畑澤 清志
【監修・解説者】
ドライビングエキスパート(トヨタの元テストドライバー)
滝本 良夫(たきもと・よしお)
約40年にわたりトヨタの運転技術指導員として活躍しながら、車両実験部でハイエース、ダイナ、コースターなどの商用車系開発の実験および商品監査に携わる。2014年に定年退社。
[ガズー編集部]
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